兄だったモノ
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兄だったモノ

マツダミノル

一番ヤバいのは?

ネタバレ
2025年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前ピックアップでお目にかかってすごく気になっていた作品。2巻分無料になっていたのでこの機会に手に取りました。
主人公は女子高生の鹿ノ子。彼女の亡き兄・騎一郎には聖という男性の恋人がいた。
彼には変わり果てた姿の“騎一郎だったバケモノ”がしがみ付いている。鹿ノ子にはハッキリ見えるその“バケモノ”に、聖は全く気付いていないようで…。

無料分をあっという間に読了。幾重にも謎が張り巡らされたホラー&ミステリー。ほのかにですがBLの香りも漂います。
読み始めはやはり“バケモノ”が一番ヤバそうに思えましたが、物語が進むとそうとも言えなくなってくる。鹿ノ子にも闇があり、聖もさらに…。
また生前の騎一郎の人となりに関して、登場人物によって証言が全く異なっているのが何とも不気味。喉に小骨が刺さったままのような、スッキリしない気持ちの悪さ。
聖に関しても同様で、一見好青年だが鈴蘭にたとえられる魔性の男。無料分ではまだ彼の本性がしっかり見えてこず、いびつな人間関係も含め、これは先を購入せねばと気持ちが逸ります。

あと個人的に「おっ!」と思った部分、僧侶でもある藤原さんの名がまさかの“頼豪”。
“頼豪”といえば“鉄鼠”がすぐに思い浮かびました。僧侶キャラによりによってその名を付けるとは、何だか意味深。しかも名字までが関連性のある“藤原”…。
そして聖の担当編集者が“犬上静真”だと。浮かんだのはもちろん“犬○家の一族”の“青沼静馬”。あの有名な死に様が脳裏にちらついてしまった。

これらの名前も伏線か何かになっているのかな。それとも単に思い過ごしなんだろうか。そこも含めて気になってしまう…。
それと随時変化する“バケモノ”の顔が、“オチョナンさん”に見える時があってキモ怖かったです😣
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