キラキラセブン
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キラキラセブン

ARUKU

やはり全編が沁みる

ネタバレ
2025年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLではないARUKU先生の短編集。7編の収録作品は男女の淡い恋やBL未満のブロマンス風など、BLでなくとも「これぞARUKU先生!」と唸ってしまうエピソードばかり。

“キラキラセブン”という作品タイトル+1話目の“アンダースタンド”読了後の爽やかさ・清々しさ。1冊まるまるフレッシュなテイストでいくのかと思いきや、読み進めるごとにARUKU先生ワールドが広がっていきます。

“フィッシュスケール”の儚くも美しい恋の世界に浸り、“ブリード”では生き物に対する考え方について心から身につまされ…。
“レインキャット”のイルカくんと猫のほのぼのライフに癒されていたところ、まさかの展開に本当に声が出た…。唐突に差し込まれた“いけすかねえ奴”がずっと気になっていたのもあり、「あぁ、そういうことだったのか…!」と。
ご本の表紙にもなっているこの1編は、ストーリーだけでなく結末についても大満足。抜きん出て好きなお話でもあります。

また、おのおの独立した物語かと思いきや、実は同一世界での出来事だったりするものも。レビュアー様方がすでに書かれておられますが、“昨日、君が死んだ。”のプロトタイプのようなお話もありますね。

どれもこれもストレートではなく変化球。ラストが予想できないものばかりで、ページをめくる手が止まりませんでした。
男女ペアのお話含め、全編が期待以上。色んなテイストが楽しめる短編集、今後もお待ちしております…!
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