レビュー
今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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コミュ障×コミュ障2013年9月17日どんなお話かと思ったら、本当に津田くんが遠藤くんをひたすら観察するお話でした。
(過去話では視点が逆転し、遠藤くん目線で津田くんを観察)
しかしうっかり★5をつけてしまう。だってもう半端なく可愛かったから。遠藤くんの表情の変化がたまらん可愛い。
ひじょうに観念的でリリカルしかないお話です。
遠藤くんや津田くんの家族構成はもとより学校行事から世間一般のイベントごとも見事にスルー、「生活」の匂いは全くさせず、ただひたすらに淡々と津田くんが遠藤くんを観察し、結果遠藤くんに詳しくなり、二人の距離が近付く、ただそれだけ。
髪、白紙のプリント、音楽、駅、電車。キーワードとしてはそのくらい。
舞台装置を生かしたシチュエーション作りは秀逸です。
遠藤くんの主な台詞は「興味ない」「関係ない」
ワンセンテンスしか話さないコミュ障ぶりがひどすぎる遠藤くん。しかし津田くんもたいがい他人に興味のない(友達いない)コミュ障、そして無自覚。
神崎くんや青山さんの苦労が忍ばれます。
遠藤くん、津田くんのキャラクターとシチュエーションにひたすら萌えるのが正しい読み方かと。
ストーリーらしいストーリーはあまりありません。
脇を固める神崎くんや女の子たちもみんないい子で可愛く、誰かに腹を立ててイライラしたりすることもなく、ひたすら二人を愛でられます。
ただ、BL愛好家万人にオススメ出来るかといわれるとちょっとどうだろう。
「よく分からんかった」と思う人も少なからずいそうな、見事なストーリー丸投げっぷりです。
いきなりパック買いせず、ちょっとずつ読み進めてみるのもいいかも。
最初から最後までほぼ同じノリです。 -
すみません2013年9月6日正直に書きます。
九ファイルめで吹き出してしまいました。
ギャグではなく、シリアスなシーンで。
絵は抜群にきれい。トラウマ持ちの攻めと、優しく包容力のある受けという設定も魅力的。
でも、例えばいきなり改心(?)する主人公だとか、色々唐突な展開と無理のある過去話にどうにもこうにも萎えてしまい、私は駄目でした。
この辺りが気にならず、切ない、きれいなお話が好きな人には良作だと思います。
感じ方は人それぞれなので。
いや、でもあの理由はないと思うんだ……
ちょいレビが高評価だったのですごく申し訳ないのですが、私の主観ではこの評価で。
私が評価する点は美しい絵柄のみです。 -
絵が可愛い2012年10月15日少女漫画等で時々見かける、不自然に若々しい親父が苦手で、といってただの親父では面白みがない。
鈴村さんのキレイすぎずヨゴレすぎない見た目、「ツンデレ親父」というキャラ付けが好きで、毎回結構楽しみにして読んでいたのですが……
なんというか登場人物が全体的に痛いです。
ヒロインの舞は寒空に裸の男を放り出す、個人的なことを相談しておいて求める回答がなかったからと人のせい。
弟くんや叔母さんに流されるまま主体的に動くことがほとんどない、そのくせ感情的で爆発すると見境なく行動、となかなかの素材。
勘違いヘタレ男や人の気持ちを無視するわりに重要な場面はあっさりスルーする叔母さん、意思の疎通が不可能な社長。
最初は漫画の記号的なもの、とあまり気にせず読んでいたのですが、最後らへんになると少々しんどくなってきました。
その辺りをサクッとスルー出来るならそれなりに楽しめる作品だと思います。
何といっても絵柄が可愛いし、鈴村さんは堪らんツンデレ親父で、舞ちゃんは(少々言動は痛いものの)一途な頑張り屋さん。弟くんなんてちょっとあざといくらいの愛らしさ。
全体的にゆるい展開なので、なんとなくみんな憎めません。
辛めの書き方をしてしまいましたが、もうちょっと先まで読んでみたかったなあという気持ちもあり、この評価で。
この種の漫画は現実と切り離して読むようにしないと駄目ですね……改めて勉強になりました。
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お話は好きですが2012年7月25日ちょっとびっくりしてしまったので最初に書きます。
この作品の一ファイル目(プロローグ)は購入しなくても大丈夫です。
無料サンプルで完全に事足ります。
それから本文ですが作中の手紙のシーン等、文字が横に流れる場面やモノローグがちょっと読み辛いカット割りになってます。
何度も行ったり来たりしながら読まなくてはならなかった点でマイナス。
お話は好きなのでそこが残念でした。
さて、本題の作品の内容ですが……、家庭環境に恵まれない、根暗で口下手な美少年早川と、ごく普通の、ちょっとやんちゃな男の子泉谷の十数年を描いたお話です。
スタートラインは完全に早川→|泉谷。
友達でさえなかったクラスメイト早川から突然向けられた好意を、わけが分からず全力で拒絶する泉谷。
最初は見た目も性格も子供っぽい泉谷ですが、だんだん早川に追いついて、表紙に近い外見の二人になります。
ついでに経験を重ねてちょっとスレた感が出てくる。
(余談ですが、この作家さんの描く成人男性の「スレた感」はたまらなく魅力的だと思う次第です)
こういうちょっとした変化を描くのが上手い作家さんで、時間の経過と共に二人の関係と外見がコロコロ変化しますが、その辺りの流れはとても自然。
ちょいちょい周囲の人物にスポットが当たって物語が脇道にそれます。
でも脇を固める二人のお姉さん、滝口先輩、おデブちゃんな友達の小栗もみんな魅力的なので特に蛇足と思う事もなく。
二人だけだと淡々としてしまいそうな物語の適度な刺激になっています。
個人的に中盤の、高三の夏のエピソードが好き。
やっと友達になれた……と思ってたとか、なんともじれったい。
終盤まで性描写は控えめなので、激しいのがお好みの方には不向きかも。
どっちがどっち?
と思った方はラスト手前のフリートークをお見逃しなきよう。
私はどちらかの心がネコ(女性)でない、対等な二人ならどっちがどっちでもまったく気にならないのですが、駄目な方も多い問題だと思いますので。 -
不純異種族交遊2012年5月23日普段触手ものには全く食指が働かないのですが、レビューを読んで気になったので購入。
……うん、なんだこれ。
嫌いじゃない、いや結構好き。
セックスする事が目的のエロ漫画なので、ストーリーは結構な超展開です。
香奈はエイリアンで触手うねうねな要に対して持つべき警戒心を全く持っておらず、要のラストに至る葛藤も特に描かれてはいません。が、不思議と嫌な感じがしない。
香奈は一途で可愛いし要会長も意外にいい奴。
こんなハートフルな触手もの初めて見た。
サブタイから想像出来るようなドロドロ激しい内容ではありません。
むしろ可愛い恋愛もの(触手だけど)。
……そういや香奈と要って名前の音が似てますね。
だから何だって話ですが。 -
歳の差30近く2012年5月19日すべての作品を読破しているわけではないので断言は出来ないのですが、オヤジズムでも一、二を争う歳の差ものではないでしょうか。
是親パパはタイトルからすると(多分)45才。娘の都は高校生。
大胆な年齢差設定は乗り越える壁の大きさの象徴なのか、家族愛エンドの布石なのか……今のところどちらもありえそうな、曖昧なラインを漂っています。
10話現在、都→是親の感情はなんとなく見えてきた様子ですが、いまいち是親の考えてる事が分からず。
愛情の形はさておいて、義理の娘である都に対する愛の深さに嘘はないので、毎回都と一緒にきゅんとしてしまう事は間違いなし。
小路ちゃんや河原町くん、ヒカルさん……脇もみんなキャラが立ってます。
ストーリーものというよりはコメディものの印象が強いかな?
が……しかし、気になる事が一つ……いや、なんでこれこんなBLネタ多いんですか。
BLはBLとして好きだけど、これって「オヤジズム」じゃなかったっけ。
ネタはあくまでネタで、本筋を邪魔するようなものではないんですが、あまりにも連発されるので先の展開を邪推してしまう始末。
是親パパの大事な人って……まさかね。
今現在未回収の伏線も多く、今後の展開次第で評価も変わってきそうですが、本気モードの是親パパがセクシー&ダンディなので今はそれで満足です。
是親パパが回を追う毎に小綺麗になってきている気がするのは……気のせいかなあ。 -
小説……でもない2012年4月6日初挑戦のコミックノベルです。
想像していたよりも文章量が少なく、ノベルというよりノベレットだろう、と思いましたがそれはさておき。
定番の遊郭ものです。
BLというジャンルの中では特に、ぺんぺん草も生えないほど踏み荒らされ、食い荒らされ尽くしたテーマでしょう。
切なさを全面に押し出すならうってつけの題材、だがしかし。
展開早っ……短いなら短いなりにお話の読ませ方があるものと思いますが、結構なプロットをとてもコンパクトにまとめています。
切なさに酔う暇もない。
侑が何一つ自分の意志で動けない(よう、外堀から埋められていく)状況に、何やらモヤモヤとしたものを感じなくもなかったのですが、それが苛々に変わるほど内容が深いわけでもなく。
巴が侑を可愛いがる理由も、東堂が侑に惚れた経緯もさっぱり見えてこないままストーリーはどんどん進み……、そのうちにあまりこのお話にはそういうプロセスは意味がないのだと気付きました。
基本的に、ストーリー<濡れ場です。
最初にも書きましたが文章量は非常に少なく、背景や情景の描写は極限まで削られています。
思ったよりも文章はしっかりしていましたが、いかんせん量が少ない。濡れ場の描写も回数は多いけどあっさりめです。
足りない描写はふんだんに盛り込まれたイラストと想像力で補ってください、といった仕様。
漫画なり小説なりの、美味しいシーンだけを繋いだ、いいとこ取りのダイジェストです。
深く考えずにサラっと読むのが正解。
個人的にはじっくり文章を読みたいほうなので、差し挟まれるイラストがスライドしたり、エフェクトが入る事に若干のストレスを感じました。
なんだか色々中途半端で勿体ないなあ、という印象です。
文章が苦手な人は手を出さないのが無難。
挿絵が好きで、定番のシチュエーションを気軽に掌編で楽しみたい人には悪くないのではないかと思います。 -
なかなかどうして2012年4月5日絵柄も渋いけどお話も渋い。
青年誌の文法でBLを書いたらこうなる、っていう見本のような短編集です。
絵柄が絵柄だし、登場人物も枯れかけた普通のおっさん(といっても30から40代)が中心。
全然キラキラしてない。
BLってファンタジーじゃなかったっけ?
好き嫌いがきっぱり分かれそうな作風です。
でも何だろう、不思議と可愛いんです。このおっさん達。
読んですぐ掻き立てられるようなリビドーはないけど、スルメのように後からじわじわきます。
①-② ビルの清掃員とリーマン
生真面目な性格で遊ぶ事も出来ない、割り切って結婚する事も出来ない。
取り繕う事にも焦燥を感じ始めているゲイのリーマン、藤田。
実は初めてだったというところで噴いた。可愛いじゃないか。
③-④ ↑の続編
だんだん藤田が可愛く見えてくる不思議。
「別れた後」って言葉から藤田の本心を見抜ける真人はエライ。
⑤-⑥ 遊び人のヒラとその上司
子供がほしいからとゲイなのに結婚した男、西垣。
うっかり西垣の奥さんと関係を持ち、どさくさで西垣はゲイだと知った部下の沢村。
子供がほしいといいつつ夫婦関係もなく、妻は夫はゲイだからとすっかり割り切ってしまい、浮気三昧。
設定はドロドロだけど、後味は悪くないです。
このお話、誰が一番責められるべきなんだろう。
それぞれが不義理なのに誰も憎めない。不思議。
⑦-⑧ 上司と部下
「女房の恋」というタイトルでBL漫画を連想出来る人がいるだろうか。
こちらは部下の三上がゲイで既婚者の部長、川島がノンケという前のお話とは逆のバージョン。
川島のナイスミドルっぷりがツボりました。普通のおっさんが何でこんなにカッコイイのか。
結構唐突な終わり方をするんですが、これ好きです。
「何だ?」
これいい。
⑨-⑩ 侵略の王と元王子
古代ギリシャあたりがモデルの架空の国かな?
このお話だけ他と毛色が違います。
これはあまりピンとこなかったなあ。
読み込めばまた印象が違ってくるかな? -
いつの時代??2012年1月26日小夜子の着物姿から勝手に明治から大正時代辺りのお話かと思って読み進めていたのですが、現代的なひったくりの外見と、お風呂のシーンで分からなくなりました。
もしかすると着物は単なるコスプレで、実は現代が舞台なのかしらと思い、外の風景と照らし合わせようかと思いたったものの、風景はそこまで書き込まれておらず。
それ以外にも、喫茶店なのに紅茶のメニューが「紅茶」のみ?
結局、九条は何で追われていたの?
と、次々と疑問が浮かんでは解決されないまま終わってしまい、全くお話に集中出来ませんでした。
色々なところが作り込みが甘いというか、想像するに、作者さんの得意分野ではなかったのではないかと思うのですが……。
ただ、九条さんはとってもハンサムで素敵なおじ様でした。
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好みの問題ですが2012年1月21日身勝手な遊び人広樹が、生真面目な三浦と出会い、恋を知るというオーソドックスな恋愛ものです。
余裕かまして遊んでいたつもりがいつの間にか三浦の一途さにほだされ、本気で好きになってしまう。
一連の流れ、お話のテーマは好きです。
本気になったからこそ言えない「好き」の重さ、認める事の出来ない本心。
好きなテーマだったので期待して読んでいたのですが、主人公二人を好きになれず、結局最後までお話に入り込めませんでした。
自己中心的にも程がある広樹の身勝手な言動の数々は「遊び人」の限度を超えていて、ところどころ引っ掛かりました。
三浦を物色しに行き、落とすまでの流れは明雄(誠実な弟くん)に対する悪意さえ感じてしまいました。
最後の電話のやりとりなんかは可愛くてむしろ好きなんですが。
三浦の性格にも一途さよりも芯のなさを感じてしまって残念でした。
明雄ではなく広樹を好きになってしまうあたり、ダメ男ばかり渡り歩く典型的な「都合のいい女」タイプに見えてしまい……。
ただこれはキャラクターの好みの問題なので、感じ方は人それぞれかと思います。
人物像にリアリティがあって、それをきれいに誤魔化そうとしていない、そういう事なのかもしれません。
絵柄は……ちょっと古い感じかな? でも安定していてきれいだと思いました。
評価を下げてしまってすみません。
こんなふうに感じた者もいるのだという、参考までに。 -
THE・オヤジ2012年1月18日うん。確かに幸田さんは信じちゃいけないオヤジだ。
軽そうに見せ掛けて全部計算という厄介なオジサン、幸田さんに振り回される仕事熱心なかなえちゃん。
熱意が空回りしがちなかなえちゃんのガス抜きをしつつ、度が過ぎて噴火させてしまう幸田さんの軽妙なキャラは、オヤジ好きには堪らないものがあります。
逆に「オヤジ」という単語に全く惹かれるものがない人には厳しい内容かも。
作画はきれいでいう事なし。
怒ってばかりのかなえちゃんも最後にはツンがとれて可愛い表情を見せたり。
恋愛に発展しそうなところまでお話が進んでいないので、純粋に幸田さんを愛でるお話と割り切って読むのがよろしいかと思います。 -
楽しく読みたい時に2012年1月18日目の前で倒れたのを見過ごせず拾って帰った男は実はヤクザ。
そのまま居着いてしまった男は、いつの間にか主人公のヒモのような存在になっていた……
なんていったらドロドロしたストーリーを想像してしまいそうですが、これはそういうヘビーさをあまり(というか全く)感じさせず、サクッと読めてしまうBL作品です。
この手のお話には必須といえるエロ要素もあっさりめ。
エロを重要視せず、明瞭、明快なお話が好きな方向きです。
まるごと一冊、大土井(鈍感ヤクザ)×高木(情に篤いアパート管理人)のお話なので、出会いから結ばれるまでを順を追って堪能出来るのはいいところ。
大土井の、怠け者で鷹揚とした、ヤクザ嫌いのヤクザというキャラ造形が面白い。
高木くんの飼い犬、タイショーもたまらん可愛さ。
ただこの作家さんのお話、総じていえる事は「軽い」
決して悪い意味ではなく、読みやすさ、軽妙さに繋がっているのですが、あまりの軽さにツッコミたくなる事もしばしば。
肝心な決断がそんな簡単でいいの?
もっと他に考えないといけない事あるよね?
そのさっぱり潔いところを魅力ととるか、浅いととるかは人それぞれかと思います。
人物造形は嫌みがなく魅力的だし、ストーリーも起伏があって飽きない。
あまり深読みしてハラハラしたりせず、安心して最後まで楽しめるお話を書かれる作家さんだと思いますが、それだけにあまり重くなりそうな題材よりも日常的な題材のほうが本領なのかな?
そんな事を考えてしまったお話でした。 -
思わぬ拾いもの2012年1月12日毎日頑張りすぎてお疲れのひばりちゃんの、心の清涼剤はドジでお人よしな駅員横瀬さん。
無責任な元カレに仕事を押し付けられたある日の終電、いつものように起こしてくれた駅員、横瀬さんの織り成すハートフルストーリー。
いってしまえばそれだけの刺激のない展開。
ハイスペックなイケメン満載、刺激的な恋愛描写があってナンボだという方にはあまりオススメ出来ません。
しかし侮るなかれ、このお話は細かいところまで行き届いた良作です。
まずは絵柄。
派手さはないけど可愛らしく、線の崩れもないので安定してきれいです。
主人公、ひばりちゃんの性格も、勝ち気だけど嫌みがなく好感が持てました。
そして何より横瀬さんの癒しっぷり!
自分がドジである事を知っているからこそ逆境に対して周到で、いざという時頼りになる。
可愛くて素敵なオジサンです。
でもこんなよく出来たオジサン普通は結婚してるよね。過去に何かあったのかな?
ひばりちゃんとの今後も気になるところ。
二話完結のようですが、続きを熱望したいお話です。 -
タイトルに偽りなし2011年12月10日基本的にストーリー性はあまりなく、『ドタバタ+ちょいしんみり+エロ』という印象でした。
男同士だからどうとかいう葛藤は完全にスルー。
絵はきれいで安定してるし、お話のテンポもよくてサクサク読めるけど、肝心のエロは黒塗りとカットが多め。
私は特に気になりませんでしたが、リバ風味だったり『受け』側の子にもすね毛がある辺りは好みが分かれそうです。
そして全編ツッコミどころ満載。
①-② 岸と恒ちゃん
恒ちゃん、みっちゃん、岸、サトシ。ずっと一緒の幼なじみ四人組。
お話の半分はこの後のストーリーに繋がる導入部で、後はエロという潔さ。
んー岸が可愛いなあーと思ったあなたは正解。
③-⑨ 太郎とみっちゃん(ハナコ)
傷心のみっちゃんに突然降って湧いた災難。
全話の半分弱を占めるお話、かつ表紙の二人なので多分メインなんだろうけど「これはひどい」と呟きたくなる事必至。
あらゆる不都合を無視するリリカルクラッシャー太郎。
太郎はいわゆる残念なイケメンの類ですが、ちょいちょい事の過程をぶっとばして正解を言い当ててしまうから侮れない。
対するみっちゃんはツンデレのデレ抜き……に見せかけつつ、本作においてとことん貧乏くじを引き続ける損な役回りであります。
近頃流行りの欠点らしい欠点のない、ドS攻めのドヤ顔に食傷気味の人にオススメ(かもしれない)。
⑩-⑬ サトシとエーちゃん
岸と恒ちゃんが出来てしまい、みっちゃんは転校生の太郎と仲良し(?)に。一人寂しいサトシが、ひょんなことから仲良くなった相手はダブリの瑛生。
無口で怖い人……と思われていたエーちゃんはとんだ天然ちゃんでした。
しかし餌付け効果絶大すぎる。
⑭-⑮ 恒ちゃんと岸
ぐるっと一周して最初の幼なじみ二人のお話。
イマイチはっきりしない岸の態度に一人ぐるぐるする恒ちゃんと、実は別のことを考えていた岸。
ドサクサで秘密をバラされたみっちゃんが非常に気の毒。
立ち読みの時点で自分の求めるようなストーリー展開ではないのはおおかた予想出来ていたのですが、懐かしい方言にどうしても我慢出来ずにパック買い。
予想以上に方言がディープで、そこがツボに入ってしまい、思っていたより楽しめました。
ただやっぱりストーリーを求める人には向かないかな。
細かい不都合なんか気にせず、かっこ可愛いキャラ達のとドタバタとエロを楽しめる人向けです。 -
絵柄重視2011年10月21日恋を知らない遊び人の大人が、一途な子供(見た目はとても高校生には見えない)に本気になって、そんな自分に戸惑って……という表題作のみ購入。
作画はそれなりに目の肥えた人でも上手いと感じるレベルじゃないでしょうか。変な癖もないので万人向け。
キャラクターの表情や小道具もツボを押さえてるので、BL初心者さんからそれなりに嗜んでる方でも楽しめそう。
が、あまり絵柄を重視しない立場からお話だけ読んでみると、なんか物足りない。展開が唐突でちょっとついていけませんでした。
内容を高く評価している方には申し訳ないのですが、見た目が申し分ないだけに、これで絵柄が違ったらこんなに高評価はつかなかったんじゃないかと思ってしまいました。
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これはいい百合2011年10月19日①-⑥ 幼なじみの先輩後輩(表題作)
サバけたおねーさん里津子とちょっと軽い後輩小夜の日常。絡み多め、というかほぼ絡み。
一話完結が三話分+オマケで⑥ファイルありますが、最初からラブラブなので安心して最後まで読めます。
こんな事をいうと怒られそうですが、里津子が攻めるところも見たかったような。
⑦-⑧ 一方通行の二人
美術準備室からは「彼女」の姿がよく見える。
三角関係、というか矢印一方通行の一直線関係。
報われない想いに焦がれる女の子の表情が切ない。
⑨-⑩ 女子高生と8才年上のトリマーさん
前二作よりもやや現実的な悩みを折り込んだお話。
女子高生亜澄の悩みは、進路が決まらない事と年上の四季との関係が進まない事。
ハンサムなお姉さん四季の、好きなのに立ち止まってしまう理由がありがちだけどその分リアル。
亜澄の飼い犬が可愛い。
⑪-⑫ 卒業式の日の二人
唯一絡みなしのこのお話が一番好きでした。
初めてまともに言葉を交わしたのは卒業式の日。
「またね」と言いたい理由と、言いたくない理由。
先の展開は読めたけど、それでも心に響くものがありました。
この二人のその後が知りたい。
絵柄は好き嫌いがありそうだけど、大きく崩れたりする事もなく安定しています。女の子の体のラインもきれい。
絡みがメインながらも心理描写は丁寧で、「やってるだけ」感はさほど感じませんでした。
ただすべて短編かつ絡みメインなので深い物語を期待している人には不向きかも。
⑪-⑫のお話はこれぞ百合、という切なくも清々しいお話なので、百合初心者さんにもオススメです。 -
これからは忘れない人2011年10月19日あらすじに惹かれて購入しました。
平たく説明すると、過去のとある一日を繰り返し経験しながら、同じ日の繰り返しであるがゆえに決して自分を覚えない過去の男・洋介に焦がれる、現代の男子高校生・玲のお話。
まずファイルサイズがやや小さく、お話が淡々としているせいか一話一話がやたら短く感じました。
これで五話はちょっと細切れの印象。
お話は面白いと感じたので評価は高めにしましたが、サスペンスホラーっていうのでしょうか? BLである必然性を感じる設定ではなかったので好みは分かれそうです。
一応、過去の書生風の男「洋介」×現代の男子高校生「玲」 というカップリングがメインのお話ですが、カップリングにこだわる人には向かないお話かと。
こういう例えが適切かは分からないのですが、「ひぐらしのなく頃に」みたいな、超自然的な世界観が好きな人で、分かりやすいハッピーエンドにこだわらない人なら楽しめるのではないでしょうか。
(個人的に、あの終わり方はハッピーエンドですが)
ちなみに、何故現代に生きるあかの他人である玲が「その日」に介入出来たのか、なんて謎はそのまま。解明されません。
過去を変えちゃって未来は大丈夫なの?
そういう事を深く考えたら負けな作品だとは思いますが、SFやミステリを読み慣れている人はひっかかるかも。
繰り返される同じ日の中で、想いはひたすら玲の一方通行、洋介は過去の男。
無事時が動き出したとして、その時の中に玲はいない。
玲の「次の日も自分を覚えていてほしい」という想いから起こす行動は切なくて好きでした。
その答えである洋介の台詞。
ありがちといえばありがちですが、この作品の主軸を示している台詞だと思います。
このシーンはよかった。
続きが読みたいような、これで終わりだからこその佳作であるような……なんともいえない余韻のあるお話でした。 -
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色んな意味で濃い2011年10月5日見た目アホっぽいのにちょいちょい真理をつく南原の発言は名台詞が多いですね。
「つけこむよ」のダブルミーニングとか。
何もかもがそこそこ可もなく不可もない男。寛容と惰性は紙一重のコンビニ店長北村(彼女持ち、ノンケ)は世間にありふれた「普通」でいたい、ちょっと狡い大人。
就業中に売り物のジュースをパクっちゃうようなイマドキの若者店員の南原(ゲイ)は、図々しく見せ掛けて一途。本当は好きになってほしいけど言えない。最初から諦めちゃってる臆病な子。
年の差10才。
大袈裟な肩書きもなければ特別何かに優れているわけでもない、その辺にいそうな二人の、ちょっと「普通じゃない関係」のお話。
この作家さんは初めて読んだのですが、絵柄・お話共にアクが強い印象。
好き嫌いが分かれそうですね。
私は好きでした。
以下、ネタバレしない程度に注意点を。
メイン二人以外の絡みは極力見たくない、女性が積極的に絡むお話が苦手、という方にはわりと地雷が多いお話です。
特に8・9話には北村が一コマも出てこない上に別の男と南原との絡みあり、秋名(南原の元カノ)→南原への仕打ちが強烈。
私はBLという男二人いれば成り立つ世界観の中でも女の子を死に役にしない作家さんが好きなので、春名秋名姉妹の生々しさは好印象でした。
……が、駄目な人は駄目だろうなあ。
ご注意を。
あとやっぱり絵のアクは強い。
線の太い絵そのものというより、崩した表情の描き方が台詞共々下世話で(それがまたエロかったりして、決してマイナス要素ではないのですが)、キレイ系さわやか系が好きな方にはちょっと濃すぎるかもしれません。
自分を「コンビニのような男」と表す北村と、「コンビニみたいになりたい」という南原の、コンビニに対する見解の違いなんかも大変印象的だったりするので、サンプル見て大丈夫そうだった方は是非とも最後まで。 -
シンデレ……ラ?2011年9月18日灰被りなのに黒の、とはこれいかに。
同じ作者のもう一つのシンデレラのほうから読んだのですが、同じなのは主人公の名前くらいで中身は全く別物。
シンデレラの原形は名前くらいにしか残っていません。
こっちのシンデレラは戦乙女だなあ。実に逞しい。
文字通り体一つで復讐を成し遂げようとする主人公。
テーマが復讐なのでもっとドロドロしたお話を想像していましたが、過酷な状況の中にあっても失われない登場人物達の優しさや潔さが感じられて、後味もすっきりと読めました。
青年ヘイゼルの想いが、一目惚れ以上のものに感じられなかったのはちょっと勿体なかったかな。
恋ってそんなものかもしれませんが。
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前半と後半のギャップ2011年9月17日分かりやすく分類すると年下攻めの幼なじみもの。
前半は痛々しいほどにビター。後半はマイルドを通り越してハニーです。何という甘さ。
年上の幼なじみ、秀利からの気持ちに気付きながら、自分自身の執着心も自覚している健吾。
だけど言葉にならない気持ちを持て余している間に、いつも秀利は何もかも自分で答えを出して、先に行ってしまう。
前半はこれでもかってくらいすれ違ってるけど、健吾が腹を括ってからの後半は違うお話じゃないかと思うくらい。
とにかく前半と後半のギャップが凄い。
視点も後半の途中から秀利に移ります。
前半の秀利の性格のまま23話はキツイと思うけど、ちょっとびっくりするくらいデレたなあ。
なので甘いのがお好きな方は途中で挫折されませんよう。
お話そのものはとても丁寧な作りで、何故そうなるのか、という事にちゃんと意味があります。
二人がお互いの心情を理解しようと一生懸命なところにも好感が持てる。
その分、モノローグ主体でじれったくもあったり。
作画も概ねキレイで読みやすい。
前半の秀利の噛み締めるような表情は上手いなあ……と思います。
に、しても殴られた痕が本気(とかいてマジと読む)で痛そう。
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新時代のGL2011年9月2日コメディ調だけど軽すぎず、サクッと読める良質のGL短編集です。
女の子達はみんな可愛いし、それぞれ個性もあって飽きません。
女子校設定にありがちな耽美要素はなく、擬似恋愛ではなく「恋愛」
短編集だけどそれぞれ微妙にリンクしていて、クオリティも一定しています。
① はるかとあきほの場合
転校生で、女子校に慣れないメガネっ娘あきほのちょっと冷めた視線と、同性であるのをいい事に「お触り」してくるはるかのハイテンションなオヤジぶりが対照的。
②-③ 夏姫と冬華の場合
女オオカミの異名をとる夏姫(一人称は「ボク」)は、男性恐怖症が過ぎて女子校にやってきた冬華には恐怖の存在。
うん。夏姫のアグレッシブなセクハラぶりは冬華じゃなくても引くと思う……。
④-⑥ 礼子と綾乃、10年越しの想い
保健の先生礼子と、冬華と夏姫の担任綾乃はこの学校のOG。
女子高生時代のまだあどけないセーラー服姿と、大人になってグラマーになった二人が拝める一粒で二度美味しいお話。
直接的な描写はないけどやたら脱いでるシーンが多いのは大人な二人がお色気要因だからでしょうか。
しかしながら礼子の彼氏、とってもいい人っぽかったのでちょっと可哀相でした。
⑦-⑧ 夏姫と冬華、初体験?
ここまでのメンバー総出演のドタバタ。
メインは初体験を目論む冬華と、何故かこの期におよんでそれをスルーする夏姫。
女子校ならではのはるかと夏姫の対決が面白い。あとあきほが意外と食わせ者。
⑨ はるかとあきほ、夏姫と冬華の旅行 / 友人にあらぬ思いを抱いている二人
ナンパ男を撃退する二組の女の子カップルの、四人中三人のドヤ顔が実に素晴らしい。
最後の「彼女」は他のお話と特に繋がりのないショートストーリー。何気にこのお話が一番リアリティがある気がします。
確かこれだけ原作なしの、作画担当作家さん一人の名義です。
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文学的2011年9月1日恋人に逃げられ、その借金を背負わされ、行き場もないまま彷徨うゲイの諒一。
元ヤクザで、閑古鳥の鳴く店と古い付き合いの律以外に寄る辺ない蓮。
そんな二人のお話。
……ちなみにサンプルの最初に出てくる可愛い顔の彼が諒一くん。28才(攻)です。
他ではちょっと見掛けない、端正な絵柄に惹かれて思い切ってパック買い。
始めから終わりまで淡々とお話が進むので、最初は物足りなく感じていたのですが、読み終わる頃には不思議な充足感を覚えていました。
一、二話読んだだけではこの作品のよさは分からなかったと思うので、パック買いして正解でした。
独特の絵柄は好みが別れそうではあります。
白と黒で表現された世界は墨絵のようで、確かにBLらしからぬ画風ではありますが、背景の細かいところまで書き込まれたとても美しい絵です。
背景フェチの私には堪らないものがありました。
回を追う毎に印象の変わる諒一の表情も秀逸。
ちょっとした台詞回しも上手い。
巧みという言葉の似合う作者さんだと思います。
絵柄、お話、キャラクター造形。
読み手に媚びたところのない作品なので、手っ取り早く分かりやすいBLが読みたい、という方には向かないお話かもしれません。
コマとコマの間さえ読みつくす勢いで、じっくりお話を楽しみたい方には是非オススメしたい作品です。
それにしても「きみにあげる。」ってとんでもない殺し文句だなあ。