先生の作品は、なぜか『四代目・大和辰之シリーズ』から読んでしまい…あまりの激しさに読みきれず『ジェラシー』を積んでいます。その後『保坂さんと三好くん』で、読み応えはあるのに辛くない作品に出会って印象がガラッと変わりました。こちらも凄く濃い内容で凝った展開が面白かったです。
おちゃらけたムードの中に人生観・仕事・家族・恋愛・アイデンティティなど盛りだくさんの要素が、全く渋滞することなく、それでいて複雑に絡み合う展開は素晴らしかったです。まるで某体育大学の「集団行◯」を見ているようなスピード感と交差の美しさに圧倒されました。
子供っぽいようでちゃんとした大人のけじめをつけられる大海。円熟した大人であらゆる面で先輩であるはずが、大海を手に入れる為なら我慢せず子供のように手を伸ばす志田。二人のコントラストも見どころでした。内容もですが、キャラたちが(同僚や姉さえも)誰も彼も魅力的で全てが極上の一冊でした。