三月えみ先生の、近未来アンドロイドシリーズの始まり。
大切な人を亡くし、できてしまった大きな心の隙間に、人間はどう向き合うのか。
AIの進化によって取って代わられると言われている部分もあるが、それでも人は完璧ではない人を求めるのだろうか。
近未来の話ではあるが、自分の記憶に問いかけられているような感覚に陥った。
幼少期に持っていたオルゴールの箱を開け、懐かしい音楽が流れた時のような、何とも言えない切なさに息ができなくなる。
先生は海の描写がとても良く、特にこのシリーズは海の描写が効果的で本当に素晴らしい。
陽射しを浴びて煌めく輝かしい青春の海と、沈んでいく漆黒の夜の海との対比には痺れた。
この作品が100ptで購入できるとは…。
他の方のレビューで、リキューレの雑誌の方では先生の解説が掲載されていると知ったので、そちらも読んでみたい。