小石川あお先生の作品で何度泣かされたことかわかりませんが、今作も例に漏れず自然と涙ぐんでしまう切なさ乱れ打ちBLでした……どうしてこんな胸をキュウっと苦しくさせるのがお上手なんでしょう小石川先生は……。
勇者の一途さと魔王様の可愛らしさ、二人の優しさ、それを紐解く物語の豊かさが素晴らしいです。なにより、二人の生きる時間の差がここぞという場面に描かれてウワァっと声が出てしまうくらい、わかっていたはずなのに直視しないようにしていたところを目の前に突きつけられたようでもうそこからは切なさが止まりませんでした。
勇者の過去と魔王様の過去、誰が悪いというわけではないはずなのに二人だけの世界ではないから二人きりでは幸せになれなくて、でも周りも彼らの幸せを願っているんですよ……!
だからこそ、最後のシーンが本当に、本当に涙が止まりませんでした。あの単眼の巨人とともに私も大泣きですよ。でも、ガラテアが最後の最後まで勇者だったからこそ、あの幸せなエンディングを迎えることができたんですよね。
切なすぎてこのままじゃ終われないよぉ!と思っていたので、そこからのみんな幸せハピハピ大団円でもう、小石川先生には大大大感謝。めちゃくちゃ幸せな読後感で本を閉じました。
小石川先生のこれまでの作品が大好きだった方は、もちろん今作も最高!だし、初めて読む方にもすべてがスッキリ読み終えられるので小石川先生作品を読むきっかけとしてピッタリなのではないでしょうか?
御伽話BL、やっぱり最高です!性描写は無いですし、いろんな人に読んでほしいよ〜!