近代日本の激動期、多くの人が縛られた「家」を軸に展開される物語です。その中でも一際、家に呪縛された桂木と、真っ直ぐな行動力で岩のように頑なだった桂木の心を砕いていった暁人。
古い体質に真正面から抗うだけでなく、先を見据えた改革を推し進めていく力は、長年の教育と努力が土台にあり、どんな形であれそれが二人の絆の強さというか、縁の深さなのだと思いました。
封建と革新、それはまさに“静と動”で、この二人の象徴。
この時代だからこその物語。
考えてみたら桂木はまだ30歳にもなっていないし、暁人に至ってはまだ10代で、それでいて現代からすると想像もつかないことをやってのけているわけで、それもやはりこの時代の醍醐味かと。
よく練られた作品だと思います。読み応えがありました。
確かに、BLの枠には収まらないかも。
できることならもっと笑っている桂木も見てみたいですね。
最終巻で少しだけ見られた、幸せを噛み締めるような柔らかい表情を。
番外編、出して欲しいですね。