特級αの愛したΩ
」のレビュー

特級αの愛したΩ

神波アユミ

ん~んんん~~

ネタバレ
2025年7月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ αの中でもさらに優れていると言われている「特級α」の有麿と、同級生で美術部員の司の物語――。

ちるち〇で紙媒体だけで発売後即一位という、超高評価だったこの作品。
電子化、楽しみにしていました。

すっきりしたタッチの絵。スピーディな展開。魅せるシーンもたくさんあって、そこはよかったのですが……オメガバとしては王道というか予想通りの展開で、かなり早い段階で先が読めてしまった。加えていくつかの点が気になって、ストーリーに集中できなかったのが残念でした。

【以下ネタバレ注意】
・カメラ
なぜ司はあの事件直後に有麿の写真をネットに拡散したのか。
なぜ彼は忌まわしい記録が入ったデジカメを、ずっと手元に置いているのか。
なぜ彼は一切の弁明もせず、写真だけ拡散し、汚名をかぶったまま高校を去ったのか。
もしも高校を去るために何の関係もない有麿を巻き込んだのなら、司よ、そんな最悪な方法をわざわざ選ばなくても、ほかに方法があったのでは…

あの臨床試験を司に受けさせる有麿の理屈もよくわからなかった。
そもそも物語の要、バース提供について説明がない。そこはもう少し詳しい説明がほしかった。
念願の子供ができてハッピーエンド、という展開も私は苦手で。。。

何度も「うーむ」と思いながら読み返していたのだけど、二人が失われた時間を取り戻し、幸せな笑顔で終われたところは好きでした。
ラストシーンの穏やかで澄んだ空気感も素敵だった。
透明感のある美しい世界をいつも見せてくれる作者様。次の作品も楽しみにしています。
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