魔王の帰還
」のレビュー

魔王の帰還

一穂ミチ/嵐山のり

ものすごく素敵なお話なんです

ネタバレ
2025年8月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ レビューをあげてくださらなかったら気づかなかった…。
「スモールワールズ」短編集のひと作品。
とっても印象に残っていた作品がにコミカライズされていたなんて。

とても魅力的な登場人物たちが次々とテンポよく登場してどんどん先に読み進めてしまいます。
それぞれの人生に起きたある出来事の心の置き場、しまい方、持て余し方が本筋になってきます。
「気持ちに負けた」とか「気持ちが強い」とか普段よく耳にする言葉で、その意味もニュアンスもよく分かっているんですけど。
本作品を読むとその「気持ち」が物体として重さや大きさを目にするような感覚になります。
原作を読んだ時もそうでしたが、コミカライズされたこちらも同じように感じました。
ほんと気持ちの勝ち負けって何なのでしょうか。
自分を鼓舞したり諦めたりするための都合の良い解釈にしていたのかもしれない。

原作にはない後日譚。
すごく嬉しい!
あたたかい幸せがにじみ出ていました。

嵐山のり先生は初めて読ませていただきました。
児童図書にあるような粗めの作画(褒めてます!!)がすごく味わい深くて温かくて作品にぴったりでした。

ありがとうございます。

**198ページ**
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