サマー・ボーイ・ブルー
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サマー・ボーイ・ブルー

遠野みやこ

初恋の人

ネタバレ
2025年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 多感で真っ直ぐな年ごろに衝撃的な現実を突き付けられたふたり。
柔らかな心にどれほどの傷を負ったのか…。
心無い言葉に晒され無力でどれほどの痛みがあったのか…。
潤とミチル。
そしてそれぞれの母の心の中も傷だらけになったことと思う。

ふたりの再会からのミチルの心を中心にお話は進みます。
ミチルの傷、ミチルの悲しみ、ミチルの後悔、ミチルの恋心。
とてもとても純粋だからこそ悲しく辛い。
そして一方的にミチルが攻められる様な形に潤の心も本当は壊れる一歩手前だったのではないでしょうか。
地元を離れることが出来たミチル、地元からも離れずに崩れそうな母を傍らに置き続けた潤。
その中で凛と立ち続け、ミチルの手を離さないことを決意した潤のかっこ良さよ。
惚れずにいられるかよ。
彼の必死さがかっこ悪ければ悪いほどに惚れる。

こんなにも初夜描写が愛らしく神聖にも感じられた作品は無かったかも。
艶とかそんなものはこのふたりの一生懸命さには適わない。
ただただ繋がり溶け合う2人の美しさよ。

電子版特典いいですね~。
どうか二人の行く末が幸多からんことを祈ります。

**187ページ**
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