王国物語
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王国物語

中村明日美子

生涯傍に置いておきたい傑作

2026年7月1日
圧巻でした。先生独特の細い線と余白のある美しい絵。
緻密に計算されているストーリーとキャラクターの設定から、その説明をことごとく省いておられます。
読み手の読解力や想像力そのものを試されるような作品。
読んでいて最初は頭の理解が追い付かなかったけど、一度この世界に持っていかれた感情が、設定を確かめる為に前に戻る事を拒否して、それでも読み終えてみたらもう涙が溢れて止まりませんでした。

ある双子の話から始まり、王の側近になる男の物語を経て
この世のカルマというカルマを背負い、間違い、罪を犯し続けた1人の王の話へ。
彼の唯一の理解者であった后と、彼を憎みながらも認め兄として愛していたであろう義弟。
でも愛された記憶のない男の中からは絶えず悲劇が生まれる
けれど憎しみからだけではきっとこれほどの罪も悲しみも生まれないだろう…
こんなにも救いがなく愛おしい男がかつていただろうかと胸がえぐられる

全ての登場人物にそれぞれの物語があり、関係する人間が複雑に絡み合う
全部読み終えてそれらが繋がっていることに気付きます
何度か読むと最初わからなかった部分も理解でき、自分の中に新たな解釈も生まれてまた読みたくなって。

もともと先生の描かれる特徴的な絵が大好きなのですが、美しいキャラと衣装、特に靴が何度も出てきてとても印象的。それが本当に美しくて・・先生舞台衣装の監修とかされてもいいのでは?と思いました。

完結になったので紙本を購入しようと思っていたのですが、今回集英社の周年記念クーポンでなんとびっくりなお値段に。迷わず一気買いしました。
でも画集のように美しいし、紙でも手元に置いておきたいのでやっぱり紙本も買うつもりです。
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