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今月(6月1日~6月30日)

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シーモア島
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  • ラムネの小舟

    朝丘戻/犬居葉菜

    完結してから読むんだった…涙
    2025年5月7日
    表紙にvol.1と書いてあったので、覚悟はしていました。朝丘先生のことだから、両片想いなのに誤解が生まれてすれ違ったまま離れてしまったまま次巻へ…!となったらどうしよう。でもきっと最後はハッピーエンドだから大丈夫…。と読み始めたものの見事玉砕!予想以上の衝撃に打ち砕かれています。
    主役の2人は自然に惹かれあい、言葉を尽くして気持ちを伝え合い、お互いを思い合い、誤解やすれ違いも2人で共に乗り越えていく運命の番い同士。オメガバース作品においては、おそらく史上最強の理想のカップルなのに、先生独自の世界観がそれを許しません。
    今まで数多のオメガバース作品を読んできましたが、オメガバース界において、アルファ性が蔑まれ、貶められている世界観というのは初めてかもしれない。それくらい基本設定は同じなのにほんの少しのエッセンスを与えるだけでこんなに違う世界観を描けるという点に目を見張りました。オメガに対しては良い抑制剤が生み出され、発情の苦しみはかなり軽減されるけれど、フェロモンはどうしても発されてしまい、それを感じられるアルファには抑制する薬の開発がほとんど進んでおらず、ただ強い本能に耐えることを社会から求められている世界観。
    強者であることを求められ、常に苦しみを強いられる存在であり、ひとたび本能に負ければ犯罪者としてバッシングされる。
    アルファとオメガが共にあることはアルファへの苦しみの道。運命の番は更に苦しみを増す存在。そんな世界観の中で運命の番として出会い、ひとつ壁を乗り越えたと思ったらそんな試練与えます…!?というところで以下次号。
    はあ…。辛い。次巻はハッピーエンドだと信じて待ち続けます…。
  • 【全1-6セット】転生竜騎士は初恋を捧ぐ【イラスト付】

    仁茂田もに/都みめこ

    読んでほしい。映画のような長編小説
    ネタバレ
    2025年1月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 何よりよく練られた設定と圧倒的な描写力で引き込まれた作品でした。中でも戦争の傷ましい描写は胸を掻き立てられました。傷つきながら、それでも戦いに飛び立つ男たち。決死の無謀な作戦による被害。その中で交わされる2人の想いとすれ違い。美しい風景の描写も素晴らしく、映画を見ているように、あっという間に読み切りました。

    主人公2人は程よくすれ違い、程よく拗らせていて良かったです。これ以上すれ違うとストレスが溜まるので、ここ!というところでルインが男気を見せてくれて安心しました。幸せになったふたりのSSも読みたいな…
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  • 甘くて切ない

    月村奎/yoco

    「この先」が読みたい作品。
    ネタバレ
    2024年10月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 所謂“毒親”に育てられた自己肯定感の低い律。不憫な境遇に腐ることなく、健気に堅実に生きていてとても好きな主人公でした。母親の理不尽さを自己否定に変換したり、母親に尽くすことで罪悪感を慰め、そんな自分にさらに嫌悪感を抱くという、典型的な虐 待児の思考が苦しいですが、優しい攻め兄弟と出会って、この2人がいれば今後律が不幸になることはないだろうと安心できたところで話が終わってしまいます。
    先生ご自身ももっと書きたいことがあったと後書きで書かれていましたが、個人的にもこの先まで読みたかった、と思わせた作品でした。こういう母親は変わることは難しいと思うので、しっかりと別離を果たさなければならないと思いますが、そこにまた物語が生まれそうに感じます。母親との関係がどのような結末を迎えるのか、そこまで読みたかったというのが正直な気持ちです。それくらいキャラクターが良く、好きな作品だからこその気持ちです。この先まだ読みたかったという今で★を−1しました。
  • 毒の林檎を手にした男

    秀香穂里/yoco

    不完全燃焼
    ネタバレ
    2024年8月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 何だかんだと攻めは最初以外優しい。受けは過去のトラウマがあるのに攻めのことはすんなり受け入れられてしまう。タイトルの林檎も活かされているようでさらりと一度触れられただけ。受け攻め共にずっと苦しめられ、縛られ続けた毒親にもかかわらず、あっさりと離反が成立…。
    色々苦しい展開がありそうな設定かちりばめられていたにも関わらず、何とも肩透かしを喰らわされた気分です。
    受けが不幸になるのは嫌なので、読む分にはストレスがなくて良いのですが、ストーリーとしては設定が活かしきれていないと感じて何だかなという感じです。
    yocoさんのイラスト目的で購入しました。
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  • 金曜日の年下彼氏【電子限定描き下ろし付き】

    神田猫

    一歩間違えばサスペンスなラブコメディ
    2024年6月9日
    おっとりした美人な先輩、廣戸川を落とすために真綿で絞めるかのように外堀から徐々に埋めていく後輩工藤。酔った勢いでパートナーシップ宣言とか流され過ぎにも見えますが、抗うほどの抵抗感もなかったんだろうなと納得。目に光が入らない工藤の狂気じみた執着はともすればサスペンスなのに、廣戸川先輩のキャラクターが見事にラブコメに仕上げてくれる絶妙なカップルです。
  • 花霞の祝歌

    宮本れん/円之屋穂積

    主人公の健気さに泣けます…
    ネタバレ
    2024年6月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 溺愛攻めと、「相手のために」と言って身を引かない受けが好きなので、このふたりは見ていてヤキモキしますし、多少流れに不自然さを感じる箇所もあるのですが、なんだかんだ言ってルスランの健気さに泣けました。ナフルーズの想いがギリギリで届いてよかった。あとは幸せそうなふたりのカラーイラストが秀逸だったので★4つ。ふたりの子供が出てくるSSが読みたいなと思いました。
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  • 善次くんお借りします

    玉川しぇんな

    【4巻読了】やっと安心して読めるように!
    2024年5月13日
    今まで善次の過去の傷や、花岡の執着がそれぞれ不安定さをもたらし、高校生ならではの危うさを孕んでいて読んでいてハラハラさせられましたが、4巻に来てやっと安心して読めるようになってきました。互いの気持ちを感じ合い、安心しあって幸せそうな2人を見ることができて良かった…!
    進路がどうなるのか気になるところですが、このまま仲良く2人手を取り合って歩んでいって欲しいと願うばかりです…。
  • ヤンキーとキャラメリゼ

    梅渋ちうこ

    かわいいが好きな男子でいいじゃないか。
    2024年5月12日
    親からかわいいものが好きなことを否定された過去を持ち、男らしさを意識するがあまりに一匹狼ヤンキーへと成長した真木と、今どき男子を絵に描いたような八十川との対比がよかった。男らしさにこだわる真木がかわいくて、男らしさを気にしない八十川のボーダレス感がかっこいいというキャラクターが魅力的。互いの価値観の違いがはっきりしているので、それぞれの気持ちにも共感できました。妙なこだわりを持たず、欲望には忠実に、やりたいことを精一杯やるという新しい世代の感覚はとても眩しくて、現代DKもの代表作としてリストに入れておきたい作品だと感じました。
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  • 精霊を宿す国

    佐伊/吉茶

    登場人物120名以上!15回泣いた名作…
    2024年5月1日
    とにかく登場人物が多いので、記録を取りながら読んだところ、名前がある人物だけで120名以上出てきました(笑)一人ひとりに細かい設定があり、神獣師はもちろん、精霊師ごと、精霊師になれなかったカップル?ごとにドラマがあり悉く泣かせます。作者様の表現力、文章力はとても読ませますし、キャラクターの魅力が半端ないです。全員好き。
    どう愛することが正解なのかものすごく考えさせられました。一歩間違えば気が狂い魔獣化するような愛と、精霊師として互いに唯一無二で長く寄り添う愛と、一体どれほどの差があるのだろうと切なくなります。
    長いですし、登場人物を理解するまでが大変ですが、2周目からが真の魅力を味わえるような気がします。ぜひ全身から浸り切って集中して読んでいただきたい名作です。
  • 最強アルファと発情しない花嫁

    中原一也/奈良千春

    好きな作品ですが設定に疑問が多々あり
    ネタバレ
    2024年3月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 評価は低いのですが好きな作品。中原先生の作品は描写が美しく、キャラクターが魅力的なのでこの作品もその点は例に漏れず好きでした。ただ、勢いよく読んでいる時にふと流れを止またしまうくらい気になる点がいくつかあり、評価を下げました。
    1番大きいのはこの世界の軍や法の在り方が掴めなかった点。軍国主義ではなく民主主義でありながら軍に強大な力がありオメガの保護を盾に非人道的な行いが罷り通っているのは文民統制の原理からは乖離していて違和感を感じます。一応オメガやアルファに関する法律に基づいての沙汰のようなので、法治国家であるのかと思えど、その割に黒瀬の射殺が杜撰なフローで決定し、上沼の一存で早まるということにも不自然さを感じました。Sオメガの法整備が進んでいない中色々が上沼の都合の良い方に進むのも、軍の在り方がいまいちよくわからないのですんなり受け入れられませんでした。最終的に人権侵害で警察が殴り込んできて大団円というのも乱暴な気がしました。
    次にSオメガの立ち位置。「破滅の血」と言われる理由が弱すぎるかなと。人類の発展にはアルファが必要。でも長期視点ではオメガも必要だから100%アルファを産むSオメガは破滅の血だよね、という論理展開かと思いましたが、果たしてそうなのか。例えばアルファはオメガからしか生まれず、Sオメガは繁殖能力が高く、且つSオメガから生まれたアルファの家系からはその後一切オメガが生まれないということなら納得できますが、1代限りでSアルファとSオメガが番ったって別にいいじゃないと思ってしまいました。
    あとは久住の存在。黒瀬との逢瀬の手引きをした際に「自分は上沼に信頼されてる」と宣うていますが、その前に五色の肩を持つ発言を激しく叱責されているシーンがあったので違和感がありすぎて…。そして黒幕としての紹介と突然語られる上沼への愛…。スピンオフあるでしょうか…。
    他にも細かな点が気になって集中できませんでした。頭が悪くて色々読み取れてないせいなのかも…。
    前述した通り、やっぱりキャラクターは魅力的!子供達はかわいいし、黒瀬が実は清らかな身体だったとわかった日には、何この子かわいい!と地団駄踏みました。奈良先生のイラストも秀麗で、総じて続刊読もうと思うくらいには気に入っています。
  • 色悪作家と校正者の多情

    菅野彰/麻々原絵里依

    文学作品を読み返したくなるシリーズ
    ネタバレ
    2024年3月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 毎回正祐がこんなに恋愛方面に稚いと大吾は色々と大変だろうなと見ておりましたが、冬嶺女史のあまりの男親っぷりと完膚なきまでに叩きのめされた様を見て、「ああ、このくらいがちょうど良い塩梅なのだな」とひどくしっくり落ち着きました。
    ラストシーンは、大きな男の子である大吾の自尊心を、意図せず取り戻させる正祐の色気に当てられ、楽しく読ませていただきました。正祐の語り口調が美しくて、読んでいて滾るので、レビューも影響を受けてしまいます(笑)。閨を共にするのに自尊心が必要な大吾と、愛情だけが必要な正祐。正祐視点で描くことで大吾があまりに不憫で、“お可愛らしくて”本当に面白かった。2人は異なる存在で、異なるからこそ痛みは言葉で伝え合う必要があるし、共にある意味もあるのだろうと、繋がれる手の描写にしみじみ感じ入りました。
    そしてこのシリーズは、時に文学語りがお気に召さないレビューをお見受けしますが、私にとっては文学作品を読みたくなるシリーズです。私自身は文学好きだった若かりし頃からだいぶ経ってしまいましたが、昔読み漁った森鴎外や太宰治、井原西鶴などなど、お里が知れる読書遍歴と重なる作品はもちろん、懐かしい絵本や、恥ずかしながら未読の名作まで、様々な作品に対する深い考察を拝読できて興味深いです。それらの作品を読み返したり、初めて読んでみるきっかけを作ってくれる大好きなシリーズです。
  • 光と影の王

    水壬楓子/北沢きょう

    よく練られた骨太のファンタジー
    ネタバレ
    2023年12月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ キャラクターの行動の理由となる愛情や信念、若さへの羨望と焦燥、権力への欲望と野心…。様々なキャラクターたちの思惑と個性が無理なく動いて壮大なストーリーを紡ぎ出す、満足度の高い作品でした。
    最後に2人が身を落ち着けた先だけは、何となく違和感を感じましたが、それすら折り込み済みの話運びだったので、読後感はすっきりしています。おそらく2人のいちゃいちゃ込みの後日談をもっと読めれば更に満足&納得するはず…。ぜひ追加の後日談お待ちしています。
    リシャールが1人で決断し、行動してきたことは壮絶の一言ですが、その意図に気づくとものすごく辛いです。救いなのは、アーサーが常に正しくリシャールの意図を読み解こうと苦しんでいたこと。リシャールの思惑に乗って、リシャールを憎むような愚鈍な皇子ではないので、不穏ながらも安心して読み続けることができました。王になったアーサーに、評価を地に堕としたリシャールが寄り添うことは不可能。むしろ悪政の象徴となったリシャールが死ぬことで、アーサーの王としての立場を確固たるものにしようとするその覚悟に、リシャールの男前さとアーサーへの愛を痛く感じました。それを理解した上でアーサーが下した決断は、ある意味リシャールを裏切るものではありましたが、清々しい結末で、読後感は良かったです。
  • えとがみ-干支神- 辰神は童貞太子に愛される【特別版】(イラスト付き)

    犬飼のの/yoco

    素直になれない辰神様の拗らせ愛
    ネタバレ
    2023年11月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 前作では悪役になりきれなかった美人当て馬、辰神の翠綺と猪突猛進とばかりに翠綺に猛アタックする亥神の牙王丸のお話。前作カップルも出てきますし、前作を読んでからお読みになることをお勧めします。
    素直になれない翠綺がとにかくかわいいし、ナチュラルに翠綺しか目に入らない牙王丸は無自覚セクシーで最高なのですが、冥王様に許されるくだりも、大神様から許させるくだりも、なんとなくうまく行きすぎている気がして拍子抜けはしました.前作のように牙王丸視点のお話も読みたいし、2人の子供たちとのエピソードも読みたい。百艶と瞬のその後も読みたい…。ぜひ続編希望です。
  • 僕は王様おまえは下僕【特別版】

    葵居ゆゆ/一夜人見

    愛していてもアウティングとNTR未遂はNG
    ネタバレ
    2023年10月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者買いでしたが、この作品だけは合いませんでした。もともと、「愛している」とか「傅かせて」とか「あなたは王様で僕は下僕」とか言ってくるくせに、なんとなくえっちの時の恩着せがましい言い方が引っかかってあまりページが進まなかったのですが、瑛介を取り戻したいからと取った行動がどうにもこうにも受け入れられませんでした。
    そんなに愛しているなら、ここまで卑屈で素直になれない原因に想いを馳せて欲しかったし、瑛介にあんな辛い思いをさせないでほしかった。 NTR地雷とかでは全然ないのですが、美人で不憫で努力家な年上の受けは一時も不安にさせてはあかんだろと思うので、その相手の年下ワンコ執着攻めとしては、失格の烙印を押さざるを得ません…。
    逆にチョロすぎる瑛介が心配です…。
    えっちシーンは多く、濃いですが、楽しめなかったのが残念。
  • あやかし蝶と消えた初恋【イラストあり】

    海野幸/Ciel

    この蝶怖いな…
    ネタバレ
    2023年9月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 感情を栄養分にしてしまう国吉神社の御神体の蝶。これは本当に恐ろしい。健康に害があるわけではないのに、エネルギーが枯渇し次第に蝕まれ、はじめは好きなものに興味が持てなくなり、感情が凪、稀にひどく不安に苛まれ、最後には立ち上がることすら億劫になる。正に鬱病の経緯を見ているようでゾッとしました。朝陽は突き抜けて虫と国吉が好きな様が非常に魅力的なキャラクターだったので、なおさら『普通』になった彼の寒々しさが恐ろしく、国吉はキツかっただろうなと同情を禁じ得ませんでした。
    分類としては攻めザマァに当たるのだろうなと思いますが、国吉がいい奴なので見ていて不憫でザマァとは思えませんでした。
    蝶に感情が吸われたのだとしたらもう感情が戻ることはなさそうだし、吸われてしまってもまた新たに生まれるとかそういうオチなのかなと想像しながら読んでいたのですが、朝陽の症状を見る限りではとてもそんな簡単にはいかなさそうだし、どうなるんだろうと長いこと不安でしんどかったです。
    最後の展開は意外で、面白かった。国吉の喜びが伝わってきて感無量でした。耳元で愛を囁く国吉の声が懸命に雌を呼ぶ虫の声に似てるという言葉は、きっと国吉にとっては僥倖だろうから、どんどん伝えてイチャイチャしてほしい。後日談のラブラブSSが読みたい2人でした。
  • このてシリーズ

    朝丘戻/丹地陽子

    結ばれてめでたしめでたし、では終わらない
    ネタバレ
    2023年8月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ふたりが出会い、恋をして結ばれてめでたしめでたし。では終わらないストーリー。
    ある日突然かずとの前に現れた、半年前に亡くなった飼い猫ハナを名乗る少年。温かな行為を寄せてくれる少年に、正体はわからないまでもかずとは心を許し、惹かれていく。
    「俺の本当の名前ははないあお」その名前を聞いた瞬間にかずとは全てを思い出し…。

    ぴったりと組み木のように完成されているかのように見えるふたりでも、言葉にして伝え合わなければ時に歪み、隙間があき、形が合わなくなることもある。“幸せになってはい、おしまい”ではなく、幸せであり続けることの難しさを感じさせ、変わることに対する恐怖が見え隠れする不穏な空気が付きまとう展開にハラハラしっぱなしでした。歩和(あお)と同じ場所に立ち、同じ感覚であることに安堵するかずとは歩和の中の強さに違和感を感じ、歩和は自分の純粋なかずとへの想いを疑われたことに激怒する。「苦しませないとは言わない。苦しい時は一緒。ふたり一緒の共犯者」という幾度となく交わされるふたりの共通認識が理想的でもあり、脆く危うい幻想のようでもあり、疑心暗鬼にも囚われて、物語終盤まで常に薄気味悪い不安がつきまとう展開です。
    こんなに大恋愛をしているのに、急激に冷める描写を挟み込む作者様の“心理描写を描ききる姿勢”には感嘆しました。能力の面では、少々強引でご都合主義なところも感じますが、丁寧な作風が大好きな、唯一無二の作者様だと思っています。
    最終的には大団円。危ういまでのふたりの同一感が消え、健康的に共に歩むふたりが存在していました。読後感は良いです。途中のモヤモヤに負けずぜひ完読いただきたい、圧倒的に“読ませる”作品です。
  • ゲームの世界に転生した俺が○○になるまで

    藤原チワ子/しまエナガ

    こだわり抜いた設定はすごいけど…
    2023年8月16日
    ゲーム世界ならではの作り込まれた設定とシナリオは素晴らしいと思う。キャラクターも一人ひとり個性的で、魅力もあります。
    でも、なぜか萌えない。作り込まれているが故のデジタルな感覚が拭えないのか…。何となく“好き”も“性行為”も設定であり、体温がない感じ。感覚的なレビューで申し訳ないですが、率直な感想です。
  • はじめて、はじめました。

    暮田マキネ

    特定保護生物認定…っっ!!(涙)
    2023年8月15日
    27歳のお兄ちゃん、良すぎます…(涙)拝むレベルの尊さ。特定保護動物に間違いなく認定すべきです…。
    兄弟のために生きることが自分のためでもあった長男に自由が与えられた時、そこに生まれるのは何なのか…。ストーリーも深みがあって良かったですし、暮田先生の絵も素晴らしいです。鴇ちゃんが時たま見せる淋しげな表情と、恋する尭良くんの滾る表情にきゅんきゅんします。輝く目の表現が大好き。
    続き!続きが早く読みたい!!どうか続きが早めに読めますように…
  • 王子と護衛~俺は貴方に縛られたい~【特別版】

    海野幸/Ciel

    DomこそSubに奉仕する側
    ネタバレ
    2023年8月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 健気な猟犬が良きご主人様に出会い、幸せになるまでの物語として読みました。強くて気高く美しい護衛官の國行が、自分を理解し、完璧な支配を与えてくれるラシードにとろっとろになって行く様が可愛すぎました!
    Dom/Subユニバースの作品が読みたくて、且つCiel先生の美しいイラストに惹かれて読み始めたのですが、痛みより我慢とご褒美が中心の2人のプレイが好みだったし、イラストは表紙カラーより中の白黒イラストの方が更に好きだったので買って良かった…。
    過去の経験もあってM気質のある國行は、要人警護を生業とする会社員。優秀な護衛であると同時に、プレイで発散することができない欲を持ち、身を挺して依頼人を守ることでなんとか自分を保っているような危うさも持っています。そんな國行が護衛することになったのは中東の国の王子様。すこぶる美丈夫で、威圧的な國行の態度にも臆する事なく、生まれながらに人を支配する甘い魅力を持ったラシードに、國行は初めから惹かれていきます。ラシードは、王子と言っても17人兄弟の末弟。気楽な金持ちの豪遊旅行かと思いきや、実は高潔な夢を持ち、その夢のために精力的に活動する実業家でもあるその姿に、更に惹かれない人がいるだろうか(いや、いない)。
    ひょんなことから國行の性癖(と言っていいものか迷いますが…)を知ったラシードは、國行からのプレイの誘いに興味本位から乗りますが、そのプレイがお互いにとって青天の霹靂となるような経験となり…という話。
    途中小物たちが騒がしいところもありますが、終始忠犬でストーカー気質な國行がご主人様の言動に一喜一憂する様を愛でる作品でした。
    ラシードが、DomこそSubの顔色を窺ってご奉仕をする立場だと話していますが、Subが求めている支配を、Subの顔色や表情、反応を見ながら的確に判断して与えようとするラシードの姿勢にも好感が持てました。
    作者様が、「あえて作中でこの作品はDom/Subユニバースものであると断言していないがDom/Subユニバースものだ」と後書きでおっしゃっていましたが、それならばラシードがDomである描写をSSでもよいのでもう一歩踏み込んで欲しかったなというのが正直な感想です。なんとなく、國行の方には単なる性癖以上のものがあるような描写がありますが、ラシードの方には体調やストレスへの影響があるようには見受けられなかったので。そこだけが残念で★を一つ減らしました。
  • 愛傷コレクション

    葵居ゆゆ/yoco

    これはよい変態紳士。
    ネタバレ
    2023年8月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ なんだこの変態紳士、最高か?と震えました。
    作者さん買い。葵居先生は『泣かない竜は愛を捧げる』の健気受けっぷりが好みでハマりました。この作品は紹介文の妖しげな世界観に惹かれて購入。『泣かない〜』とはえらい作風は異なりますが、愛情に飢えた不憫な野良猫受けと、愛情が重すぎる変態紳士な攻めの奇跡の組み合わせに悶絶する作品でした。
    継父と彼氏に性的に搾取され、心と身体を傷つけられた十有(とも)を保護し、手入れし、庇護し、愛でる花賀谷。世話の仕方や触り方、マウントの取り方など、下手すると気持ち悪いおっさんで終わる変態っぷりなのに、うっかり素敵…!と思わせるのが変態紳士たる所以でしょう(もはや何を言っているのかわからなくなってきた)。
    この攻めにしてこの受けあり。愛着不足をも埋める異常な執着に★5つを贈りたいです。
  • 北の土地神と桃の嫁入り

    伊達きよ/コウキ。

    疲れた時に読みたい一冊。
    2023年8月12日
    土地神様に嫁いで自らの花を咲かせたい花の精と、花の精を嫁にもらって癒しと気をもらいたい神様と…。まずその設定から惹かれました。情景描写が美しく、花咲き乱れ、美しい花の妖精たちがくすくす笑いながら遊んでいる花園や、北の地に根を張り、健気に咲き誇る桃の花など、情景が浮かび上がるようでした。好きな作家さんです。
    花の精としては珍しく男型で優れた容姿を持たないモモを、唯一娶ってくれた北の御方は何故か最初からモモを溺愛。初めて与えられる惜しまない愛情に、モモが少しずつ自信を持ち、背筋を伸ばし、美しくなっていく様にキタと一緒にきゅん、としたりぎゅんっ、となったりおお忙しでした。
    途中は少し切なく、不安を掻き立たされ、やがて訪れるハッピーエンド。情緒も忙しい。
    溺愛に絆され、愛を返し、絆を結ぶ夫婦の物語。疲れた時に読みたい一冊です。
  • さよなら、運命の人【イラストあり・電子限定ショートストーリーつき】

    小中大豆/yoco

    もどかしい……!
    2023年8月9日
    この手のすれ違い系の両片思いの話を読むと、いつも思います。「あんたたち、素直になれば一瞬で幸せになれるのにっ……!」と。
  • 坂道のソラ【SS付電子限定版】【イラスト入り】

    朝丘戻

    アニマルパークシリーズ1作目
    ネタバレ
    2023年8月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ アニマルパークシリーズ1作目。順番がわかりにくいので、備忘のために記録します。1.坂道のソラ 2.窓辺のヒナタ 3.氷泥のユキ 4.月夕のヨル 5.晴明のソラ。
    坂道のソラの主人公である一吹と賢司さんは『春と秋の空の色 Complete Book2にも出てきます(こちらは出版順でいくと窓辺のヒナタの次にあたります)。1〜4はそれぞれ単体でも楽しめると思いますが、相互に少しずつ繋がりがあるので、順に読む方がアニマルパークシリーズの醍醐味を味わえると思います。
    どのカップルも歳の差、受けの性嗜好に対する苦悩、初恋、家族との繋がり、人生、人との縁による救済なんかがテーマになります。大人と子供の精一杯の恋が実っていく様を読むことができる珠玉の名シリーズだと思っています。ぜひシリーズでの読了をおすすめします。
    本作『坂道のソラ』は、通学・通勤時のバスで出会った高校生一吹と、IT企業副社長の賢司さんのお話。高校生に手を出す30代はアカン!という主義でしたが、丁寧に描かれる2人の恋愛の様相に、主義などぽきりと手折ったヲタクがここにいます。
    リアルでの関係が深まり、SNSでの繋がるがそれを加速させ、SNSだからこそ言い過ぎてしまったり、見なくてよかったはずのものを見てしまったり、振り回されたり、満たされたり。コミュニケーションを複雑化させるSNSのリアルが興味深かったです。
    最後はちゃんと言葉を尽くして想いを伝え合った2人。一吹と賢司さん、それぞれの成長の物語です。丁寧に進んでいく歳の差カップルの恋愛をご所望の方はぜひ読んでいただきたい作品です。大好きな作品なのですが、特にシリーズ中では2.窓辺のヒナタと3.氷泥のユキが泣くほど好きな作品なので、差をつける為にこちらを星4つとしました(気持ち的には星4.8です)
  • 官能の2時間をあなたへ

    秀香穂里/CIEL

    舞台と役者が揃えどドラマが始まらなかった
    2023年8月1日
    ネイリストの美丈夫と薄幸のフローリストというのはお仕事BLとしては魅力的な組み合わせでしたし、色々役割を持っていそうな含みある脇役たちにもこれからの展開を期待しつつ読み始めました。
    なのに、期待したまま何も起こらず終わってしまった感じを受けました。色々設定はあり、攻めも受けも拗らせていますし、時間になりそうな伏線はあるものの全てがあっさりしていて、日常としてはドラマティックなのかもしれませんが、小説にするほどのことだったのかなと何となく消化不良です。
    イラストとキャラクターと設定は素晴らしいので、それを活かしたドラマが読みたかったなという印象です。SSがあればぜひ読みたいです
  • 銀の鎮魂歌

    吉原理恵子/yoco

    これこそBLではなくJUNE。
    ネタバレ
    2023年7月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様もあとがきでかかれていますが、これこそがJUNEなのだなぁと久々に抉られました。
    攻めの愛が強ければ、受が執着的に愛されてハッピーエンド。というのが昨今のBLですが、この作品は攻めの愛が強すぎるが故に少しのすれ違いも許せず、愛がある故に執拗に受を虐げ、傷つけ、追い込み、そして自らをも破滅に追い込む…。これがJUNEなのだろうなと、読後呆然としながら思い至りました。
    どんなに受ちゃんが許してあげても、受ちゃんを信じない攻が何よりも嫌いなので、私にとっては鬼門の作品ではありますが、これはこれでハッピーエンドだとも思います。
    誰1人悪人が出てこないのに、こんなに健気で静謐で、美しい受がなぜこんなに不憫な目にあうのか…。BLが主流となり、精神衛生上良い時代になったなと改めて感じました。
    表現は美しく、キラの銀髪の輝きや優美な動きが目にみえるように感じました。だからこそ辛い…。辛すぎる…。
  • 会社員 藍原想の内緒事(分冊版)

    綴屋めぐる

    体格差DT同士…好みすぎる
    2023年7月16日
    美少女と見まごうばかりの宅レイヤーiさんと、おへその横の3つ並んだホクロがセクシーな腹筋さん。SNSで互いに好感を持っていた相手同士が会社の先輩後輩だったお話。
    藍原さんのポージングがいちいち可愛かった…。顔隠してお尻隠さずなところとか、前じゃなくて後弄ってとか、神なのか。入谷くん目線で俺得感を味わえました。
    入谷くんもDTのくせして、2度目にしてお尻とTKBをナチュラルに弄っていけるところが素晴らしいエロでした。普段分冊ではほぼ買わないのですが、これは分冊で買い、コミックスでも買う作品になること確定です。
    すれ違いの両思いがどう回収されるのか今から楽しみです!!
  • 淫心 -身代わりオメガは愛に濡れる-【イラスト入り】

    高月紅葉/笠井あゆみ

    初恋から純愛の物語
    2023年7月10日
    タイトルからエロ重視なお話かと思いきや、とんでもなく美しい初恋、純愛、溺愛ストーリーでした。
    主人公であるオメガのゼファは健気で謙虚だけれど、ただ優しいだけのオメガではなく、芯と向上心があり、王族としての尊厳も持ち合わせた人。そんなゼファに、“いん心の王”(『いん』という漢字がタイトルなのに不適切ワードになるのですね!作中では揶揄される言葉としても使われますが、多くの国民たちはエドラントのことを誇らしく称しているので残念な気がします)と称される、アルファ性の強い同盟国の王、エドラントは初めは一夜限りの快楽を与える存在として接しますが、予想外の反応を見せるゼファを気に入り、そしてその心根を知るにつけ、優しく、王としての知見を惜しみなくゼファに与えてくれるようになります。
    ゼファの成長と、2人の愛が育っていく様を見守れる、王道大団円のストーリーです。わかりやすい悪役以外、脇役にも魅力的なキャラクターが多いので、モブキャラたちと共に2人を見守れるような感覚に浸れます。
    笠井先生の最後のイラストに思わず見惚れてしまいました。ぜひ最後まで楽しんでいただきたい物語です。
  • Heaven's Rain 天国の雨 Limited Edition 小冊子付き【イラスト入り】

    朝丘戻/yoco

    心に沁みるようなストーリー
    2023年7月9日
    短命でゲイという宿命を持つ魂の持ち主であるリンと、その魂を見守る天使の物語。どんなに生まれ変わって愛し合っても訪れるリンの死と天使との別れを思うと苦しくなってしまいますが、終始穏やかで優しい文体が美しく時を綴ってくれています。
    涙無くして読むことができませんでしたが、読後は非常に充足感があり、デトックスされた感覚でした。読んでよかったお話です。
  • 無能な皇子と呼ばれてますが中身は敵国の宰相です

    夜光花/サマミヤアカザ

    全体的にライト
    2023年7月8日
    2巻まで読了。夜光花先生は大好きなのですが、このシリーズに関しては先生の割にキャラクターの背景や感情、行動、起こる事件全てにおいて全体的に軽く、薄っぺらで深みを感じません。失礼ながらなぜこんなに評価が高く、絶賛されているのだろうと不思議に感じてしまいました。
    似たジャンルだと毒を喰らわば皿までや気難しい王子に捧げる寓話の方が読み応えがあったな…と思いながら読んでしまうほど。
    とはいえ、3巻でようやくシュルツの悲願が叶うやも…!と思うので、次巻が出たらまた買ってしまうであろう自分がいます。
  • 10DANCE

    井上佐藤

    青年コミック?BLでしょ
    ネタバレ
    2023年7月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと気になってはいたけど、ジャンルがBLでなく手をつけていなかった作品。1巻無料になってるのを機に読み始めたら途中で止めることはできませんでした。杉木&鈴木ペアのエロティックで情熱的なダンスの描写が素晴らしいです。ダンスのプロが井上佐藤先生の絵を解説してくれるコーナーがあるのですが、プロも唸る表現力に2度、3度と読み返してしまいます。7巻でようやく再会できた2人。今後の展開が楽しみ。特装版が出ている巻はぜひとも特装版を購入することをおすすめします。高かったけれど後悔なし。
  • 雪原の月影

    月夜/稲荷家房之介

    涙なしに読めない。絶対読むべき良作
    2023年7月3日
    まず特筆すべきはその完成された世界観。国、領、種族、身分、それぞれに文化や特性、思いがあり、生き生きとまるで実在しているかのように描かれています。
    人の信念や行動原理しかり、しっかりと裏付けがあるので、ストーリーに奥深さがあります。
    リュクス国と対峙している時のエルンストの君主論には痺れました。
    だからこそ人の動きや事件が説得力を持ち、壮大なのに矛盾なく、すんなりと読み進めることができます。こんなに骨太の作品に出会えて光栄ですらあります。
    キャラクターが多く、本来スピンオフ含めて全50巻くらいあってもいいような世界観なので、是非とも今後たくさんのスピンオフを生み出していただきたい…。無限にストーリが生まれそう。
    稲荷屋先生のイラストも素晴らしいです。ぜひ読むべき名作だと思います。
    【追記】小説家になろうサイトを見てきました。本編に収録されていないサイドストーリーがたくさんあったので、ティスやタージェス、その他モブ視点のお話が気になる方はそちらもご覧になることをお勧めします。
  • 親愛なるジーンへ 2(特装版)

    吾妻香夜

    間違いなくBLの枠を超えた名作
    2023年3月26日
    アメリカの移民当時の暮らしを守るアーミッシュという宗教団体出身のジーンを通じて、アーミッシュという存在を賛否示さず淡々と、時に魅力的に時に醜悪に描く表現力に感嘆しました。宗教と、それを取り巻く人間たちの考え方は描くのになかなか勇気がいることだと思いますが、少なくとも私はとても良い描き方だと感じました。
    トレヴァーとジーンの生涯が、トレヴァーの手記と甥のジーンの目を通して映画のように展開されていきます。でも、この2人の人生はまだまだこれからなのだと感じさせてもらうことができ、読後感は大満足でした。
    何度でも噛み締めて読み続けたい名作です。
  • 囀る鳥は羽ばたかない

    ヨネダコウ

    絵柄で敬遠せず、読んで!
    2023年3月6日
    いつも飄々として、捉えどころのないドMでいん乱ネコな組の頭である矢代と、寡黙で忠実で一途で大型番犬の百目鬼という対照的な2人のキャラクターが良いです。幼い時の経験から男から犯されずにはいられない性癖を持つようになった矢代。妹が父親からされていた仕打ちを目の当たりにし、父を殴り倒して以来不能になった百目鬼。その性に纏わる嗜好や能力も、2人の関係性と共に変化し、変わっていることに互いが気づくか気づかないかが大きな分かれ道になる所も面白い。
    読者には途中からただの純愛にしか見えないのに、あまりに心内を明かさない矢代と、気付ききらない百目鬼の見事な両片思いにヤキモキしっぱなしです。あとほんの少しだけ矢代が素直になってくれたら悶絶必須の展開なのに…!(でもそんなの矢代じゃない!えーん!)と歯軋りしながらまた次巻を首を長くして待つこととなりました。
    高評価は存じ上げていましたが、絵柄とストーリーにハマれずなかなか読み進めることができなかったのは、最初のストーリーが影山と久我、という本作的にはスピンオフカップルからスタートするせいではないかと思います。今となっては2人も好きなキャラクターですが、「あれ?噂で聞いていた話と違う?」とずっと誤解していました。絵柄も巻が進むにつれエロく、美しく、繊細になっていくので、しょっぱなに違和感があっても1巻無料のうちにぜひ1巻を読み切っておハマり遊ばすことをお勧めします。
  • 帝は獣王に降嫁する

    沙野風結子/奈良千春

    世界観の完成度の高さ
    ネタバレ
    2023年2月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 沙野先生の描くお話は世界観の完成度の高さが魅力だなと思います。海と陸と空の民がいて、それぞれ身体的な特徴も、文化も気性も異なり、それがストーリにも絡んでくる見事な構成だなと思いました。
    ワダツミの文化である祝詞を誦じてくれたことをきっかけにシキがガイウスを意識するようになったエピソード然り、ワダツミの舞に惹かれるガイウス、テルスの市場にワダツミの商品が流入し、活気に溢れる市場の描写…。描かれる世界観が2人の気持ちの描写にも繋がり、とても生き生きとした世界観を満喫できました。
    黒幕は早い時点で絞られますが、だからこそ、その人の動きや言葉から隠された情念を感じつつゾクゾクしながら読み進められました。
    とにかくシキを好きだと受け入れた後のガイウスは、めっちゃシキが好きでめっちゃ尽くしてくれるので満足です。
    3部作の第1作目とのことで、残り2冊も間違いなく読みたくなる1冊でした。全204ページ
  • チェンジリング

    沙野風結子/奈良千春

    世界観に引き込まれます
    2023年2月23日
    1巻全236ページ。ストーリーはまだ序盤ですが、圧倒的な世界観にぐいぐい引き込まれました。妖精の取り替え子と大司教と、海賊と帝国軍と、皇帝と騎士と…。心ときめく言葉が並び、一気に読んでしまいました。
    国を巻き込む巨大な野望を打ち砕く、という大義のために愛しい人を犠牲にするルカは、そう見せかけて実はただのゼイン大好きっ子です。萎え萌という新しい境地を見せてくれた彼と立派な体躯をお持ちのゼインの幸せな生活をもっと読みたいです。
    2巻257ページも勢いで読了。1巻でチラリと出てきた皇太子アンリと聖騎士オルトの物語。穢れを厭い、自制を重んじる2人なので、両片想いが成就するまで何年もの月日を要します。この主従関係が美しくももどかしくて、2人が正式な「初めて」を迎えた日にはお赤飯炊きたい気持ちになりました。めでたい。
    ゼインとルカも幸せそうで、出てくるキャラクターたちが皆魅力的なのでどんどん読み進められます。まだ国の災いは解決したわけではないですし、3巻も既刊のようなので、続きも読んでいきたいと思います
  • 花嫁代行、承ります!

    榛名悠/サマミヤアカザ

    可愛い執着攻めランキングに入れたい!
    ネタバレ
    2023年2月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 拗らせた地位も金も持ったイケメン執着攻めが可愛かったです。長年の執着をそう表現するかー!と、受けちゃんが書斎で見つけた攻めの秘密に思わず「…かわいい…!」と呟いちゃいました。
    高校生の時には受け入れられなかった攻めの思いを、28歳になったからこそ受け入れられるという受けの10年の変化と、攻めの想いの蓄積が描かれていて私は素敵なお話だと思いました。特に攻めの一歩スレスレ感がツボでした。
    こういう執着攻めには実は拗らせ童貞でいていただきたかったので、★1つ減らします(好みの問題です)
  • 40までにしたい10のこと

    マミタ

    四十路に優しいお話
    2023年2月14日
    できるイケメン高身長の部下と、仕事はできるけどどこかくたびれた四十手前の上司のお話。設定だけ見て●ールドファッションカップケーキと似たり寄ったりなのかなと思いましたが、みんな違ってみんな良い!!という境地に至りました。
    きゅんを失ったアラフォーに生気を与えてくれる、10も歳下のスパダリ彼氏は世界を救います。すごい良かった。
    40歳の誕生日を3ヶ月後に控えた受けの雀さんは、40までにしたい10のことリストを部下の慶司君に見られてしまいます。雀さんがゲイだと気づいていた、同じくゲイの慶司くんは「恋人を作る」を含む10のリストを「自分と達成しよう」と言い出して…というお話。
    この慶司君のグイグイ感がアラフォーにはたまりません。きゅんの嵐です。「こんなこと言われたら、独身アラフォー一瞬で落ちるやろ…」の宝庫です。とはいえ「なんでこの人にこんなイケメンが惚れるんだ?」的なご都合主義さを感じないのは、慶司君から見た雀さんもきちんと描写されているから。本当に素敵な2人です。疲れたアラフォーの皆様にぜひ読んでいただきたい一冊。
    エッチあり。電子書き下ろし1ページを含む246ページ。
  • Theory of Love

    JittiRain/苑生/南知沙

    ドラマファンとしては後編に期待
    ネタバレ
    2023年1月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ タイドラマのTheory of Loveが大好きなので、英語版の原作は読んでいましたが、日本語訳の電子版が出ると聞いて発売を待ち構えていました。
    前半はサード、後半はカイ視点で進みます。正直、見どころがなんとなく印象に残らずに終わってしまった感を受けました。サードがカイを好きになるエピソードがないので、なぜサードはこんなにカイが好きなのか疑問に感じられるくらいカイがただのろくでなしに見えてしまいます。カイが時にサードに発する甘いセリフが、サードを試すためだったとしたらカイの魅力は皆無になるので、サードの恋心に説得力が出ず、「なぜこのクズがいいんだ…?」としか思いませんでした。
    ギャングスターズが『人でなし組』と意訳されているのには古臭い印象を受けました。。原作の雰囲気は出ているのですが、英語では違和感なかったキャラクターたちの思考が、日本語で読むとどうにも軽くてテンションが高くて浅く感じられてしまうのはなぜなのか。文化の違いを越えられない壁を感じた結果に終わりました。
    とはいえ、カイはクズなのに後半のカイ視点になると可愛くて応援したくなるような子なので、後半に期待しています。何よりラブラブな2人が見たいので、絶対に次巻も購入しようと思います。
    イラストはドラマ主演のOffGunの雰囲気とピッタリで、眼福でした。
    全416ページ
  • 東京風景

    紀本

    身近にいたら、観察日記つけたくなる2組
    2023年1月27日
    さりげない日常の会話や動作から、さりげない互いへの想いが溢れる2組。身近にいたら話に聞き耳を立て、様子を観察しては記録に残したくなるくらい微かな、そこはかとない匂わせ。醸し出される空気感としてBLが描かれた作品でした。あっさりしているのでもっと読みたくなりますが、好きな作家さんです。
  • Re:dial

    二一/伊藤モネ

    奇跡的に出会えた、大人な2人の話
    2023年1月23日
    読み放題にて読了。穏やかな空気の中、どうしようもなく孤独な35歳と43歳の2人が奇跡的に出会い、惹かれ合う様子が描かれます。派手さはないけれど、静かな会話の中に秦の絶望が見え隠れしたり、ある日突然大切な人がいなくなった後の恐怖から抜け出せない榛名がいたり、読ませる作家さんだなと思いました。読後感は良く、安心して読んでいただきたいです。表題作のみ101ページ。
  • home

    中村明日美子

    「2人」の日常が始まる
    2023年1月23日
    「同級生」ファンは必読の一冊です。自分が高校生の時から見続けてきた2人なので、幼馴染カップルが結婚したかのように見守らせてもらっています。
    色気ダダ漏れで無自覚に周りを落としまくる罪作りな利人と、何気にどんどん生活力がついて頼り甲斐のある光が、2人一緒に穏やかにイチャイチャ過ごせる日々がやっときたのだなと幸せな気持ちになりました。
    温泉での利人の艶姿からの一夜は、2人の互いへの「好き!」が溢れていて、さすがの表現力だなと悶絶。
    小さい頃の光も可愛すぎたし、お父さんと利人の関係性には安心したし、とにかく全てが見どころです。
    キスマークの隠し所にもニヤニヤしてしまいました。
    結婚と同棲はきっとスタートで、これからも山あり谷ありあるのだと思います。そのお話もずっと読みたいなと思わせる作品でした。
    そらのくんと原先生はポジション争いが大変そうですが、なんだかんだと仲良しでよかったです。
  • ドラッグレス・セックス【電子限定特典付き】

    エンゾウ

    エロくて品よく変態で大変よろしい一冊
    ネタバレ
    2023年1月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ そもそも作者様の描く肉厚な男性の絡みと、蕩けるような描写が好きですし、フェロモン症それぞれのお話も、どの読み切りも楽しめました。でも、とりわけ「好きにしたいよ」は異次元の魅力がありました。
    藤生のぶっ飛んだ変態っぷりと、普通だとそれが危険でヤバいやつで終わってしまうところを、そうさせない斜め上行く真澄の愛情に震えました。空気清浄機にすら嫉妬し、盗聴器を電話がわりに使う、2人の日常をもっと見たいです。
  • タクミくんシリーズ 完全版

    ごとうしのぶ/おおや和美

    腐女子にとっての原風景
    ネタバレ
    2023年1月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 多くの腐女子たちが通ってきた原風景的な作品なのではないでしょうか。大人になって途中離脱していましたが、まさか完全版が出ていて更に続編まで既刊とは知りませんでした。
    後半から読んでいますが、完全版は時系列でお話が並んでいるので、タクミくんと共に高校生活を過ごしているようで、世界に浸かるには良いなと感じます。
    キャラクターが多くて「この人は誰だったっけ…?」となることも多いため、ネットの「タクミくんシリーズ用語辞典」にてわからない人は検索しながら読み返しています。(新しい発見が多くて楽しいです)
    男同士のカップルの多さには目をつぶって、今読み返しても素敵な男の子たちが多いなと思います。これだけの環境の中で奈美ちゃんに一途な赤池くんは聖地!と尊敬していたのを思い出しました(笑)
    まだ最終巻まで読んでいないのですが、終わり方の悪評を風の噂で聞いていたので、どうなっているのか自分の目で確かめるのが楽しみです。
    余談ですが“そういう行為で血が出る”ということを、タクミくんシリーズで初めて知ったという人は多いのでは、とこっそり思っています。
  • 絶愛/BRONZE 完全版

    尾崎南

    何十年ぶりかで結末を知りました…
    ネタバレ
    2023年1月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ レビューを見てお仲間が多いなと思ったのですが、BLという言葉もない時代の、沼の入口で出会ったまさかの少女マンガです。同人誌まで買い、某サッカー少年漫画にまで手を出してしまうような衝撃的な作品でした。これを載せた当時のマーガレットに敬意を表したい。
    何となく、八方塞がりで幸せにはなれないのだろうなという予感はありましたが、あんなに笑顔で幸せそうに死について語る2人と最後の表現が胸に突き刺さりました。色々な感じ方があると思います。でも、私の中では2人笑顔で去ったのだろうなと感じてしまいました。久々に抉られました…。
    どんな形でもいいから、2人が笑って生きている世界があったらいいなと思っていましたが、きっとそれでは壊れてしまったのでしょうね。ちびっこい絵でじゃれあう2人の日常生活を読むのが大好きだったな…。泉からサッカーを取り上げる決断をした南先生はどんな気持ちでこの作品を描いたのだろうと思い巡らせてしまいました。
    唯一難癖付けるとしたら、ヒナ先生のエピソードは不要だった気がします。
  • セラピーゲーム

    日ノ原巡

    BL界の中ではトップクラスに好きなカップル
    2023年1月8日
    拗らせた湊が、一見頼りないけど実は相当なスパダリの静真くんに影響されてどんどんふわふわのトロトロになるのが可愛すぎます。ツンな受けの「くん」呼びがこんなに良いものだとは初めて知りました。
    絵も相当に美しいですし、絡みも色っぽく、バランスが良い組み合わせで大変に満足しました。
    こちらがスピンオフですが、こちら単体でも十分楽しめます。続編のre:startまでぜひ読んでいただきたい名作です。
  • バーチャルアルファとオレ

    コオリ/榊空也

    このアプリってありなんだろうか…
    ネタバレ
    2023年1月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「『運命だから好きになったのではなく、好きになった人が運命だった』と言う表現がしっくりくる」と自称している2人ですが、それも全てご都合主義な気がして読んでいる方はしっくりきませんでした。
    AIという触れ込みで実は実在の人物とやり取りするとか、アプリとしてはどうなんだろうと思ってしまいましたし、相手からの返信がない場合はAIが解答すると言っているのに、奏がアプリを開かなくなった時にはゆうごには何も連絡が行っていなかったようだし、面白い設定ではありましたが消化不良に感じました。
    オプションを使ったバーチャルえっちは素敵です。あの機能で安定するオメガは多そうですし、もっとアプリの方に焦点を当ててしっかりと設定を固めて、色々なカップルの物語が読めたら満足したかもしれません(上から目線ですみません…)
    基本的にいい人しか出てこないので、なんとなく盛り上がりに欠けますし、一企業の専務までやっている社会人が高校生を番にするとか、もうちょっと待とうよ…と思ってしまったり、いいところもたくさんあるのに、勿体無いなあと思った作品です。
  • 君香シャーレ 新装版 addition

    鯛野ニッケ

    贅沢な45ページ
    2022年12月30日
    Twitterや同人誌、特典などのおまけ漫画を中心に君香シャーレに関するありとあらゆるものが集められています(鯛野先生談)有路さんがひたすらかわいいのと、高階くんが色々苦労してそうで面白かったです(笑)
  • アバウト ア ラブソング

    夏野寛子

    尊い作品です…。単行本も出たら買います
    ネタバレ
    2022年12月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 狡さを持った大人なバンドマン星名が、凛とした純粋さを待ち合わせた高校生瀬戸君に出会って成長していく物語、な気がします。子供って案外子供ではなくて、ちゃんと色々わかっているのに、踏み込めないのが意気地がない大人なのでしょうね。
    まさか22歳まで手を出さないとは思わなかったけど(笑)瀬戸くんがかわいすぎて、どこからが子供じゃないのかわからなくなって手が出せなくなっちゃった星名は、その間色々どうしてたんでしょうね。。ぜひ単行本で2人のイチャイチャや、4年間の不毛な時間のエピソードを読みたいです。
  • この雨の夜が明けたら 【イラスト付】

    春間鹿野/高崎ぼすこ

    中盤からサスペンス要素が入り読み応えあり
    ネタバレ
    2022年12月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 【属性】歳下大型ワンコガテン系一途な攻め×根暗で色白痩せ型いじめられっ子体質素直じゃないメガネ黒髪スーツ受け

    冒頭はモノローグが多く、松嶋の過去や人となりについて主人公の語りで明らかにされるので、単調でなかなかページが進みませんでした。
    純情で不器用でしょっちゅうボロボロ泣いちゃうような2人の感情表現に若干引くこともありましたが、大久保が文字通り捉えられたところから一気にストーリーが動き出しました。
    猟奇的な河原の描写や、大久保が弱っていく様は読むのが辛くなるくらい突き刺さりました。
    どんなに愛し合っていても、家族から認知されていない同性のカップルだとこんなに情報が与えられないものなんだなとBLらしからぬリアリティに切なくなりました。
    生きて再会できてよかった。トラウマを克服するのは並大抵のことではないと思いますが、2人がずっと一緒に生きていける日が取り戻せて良かったです。
  • 溺れるまなざし【SS付】【イラスト付】

    高岡ミズミ/やすだしのぐ

    キャラクターは素敵。ストーリーは都合良し
    ネタバレ
    2022年12月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 鷹柄も守谷もそれぞれに突出した才能を持っていて、一目惚れして結ばれて、仕事もプライベートも大団円!という夢のようなストーリー。途中間に入ってくる2人の妨害者も、取るに足らず先が読めてしまいました。
    2人のセクシャリティに何の言及もなくすんなり話が進んでいくところにも違和感を感じました。
    「自信」が「自身」となっていた誤字も気になりました。
    それでも守谷を溺愛する鷹柄と、そこに甘えきれない守谷の関係性は素敵ですし、えっちシーンも濃厚でそこはよかったです。
  • しゃあないヤクザと毘沙門天 【イラスト付】

    馳崎ル子/稲荷家房之介

    人外ものじゃなかった!
    ネタバレ
    2022年12月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルから勝手にヤクザさんと人外の毘沙門天カップルだと思い込み、レビュー高得点にも関わらず読み飛ばしていました。ちゃんとあらすじを読んで勘違いに気づいたので、無料にて読破。
    途中庵の不振な行動に「先生にしといた方がいいんじゃ…」とやきもきしましたが、結果収まるところに収まってよかったです。
    彫り師のお仕事や模様の描写は見事でしたが視点が変わるのに主語がなかなか出てこないシーンや、行動の描写が突然現れるシーンなどがあってなかなか読みづらい部分もあるのが残念でした。
    総じてキャラクターは魅力的な人が多いので、スピンオフが読みたい作品です。
    いいね
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  • さいはてのゆき 【イラスト付】

    いちか凛/木下けい子

    じれったい
    ネタバレ
    2022年12月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ どう見ても両思いなのにもだもだする2人にちゃぶ台ひっくり返したくなりましたが、山に惹かれる人たちに愛されているからこそ、愛される者を奪う山への恐怖を感じながら必死に生きている主人公へは愛着が持てました。
    山の描写や自然の描写は見事で、風景を想像しながら読み進められましたが、思考がちょくちょく時空を超えていたり行動の描写があまりにさりげなくて、たまに「あれ?この人ここにいたんだっけ?」とか何でこんなことになってるんだっけ?と読み返すことがしばしばありました。読解力の問題かもしれませんが。
    三十路で18歳とやっとこさ両思いになれたその後が読みたいです…。
    いいね
    0件
  • あなたの番にはなりません

    本穣藍菜/辻本嗣

    …いや、人権!!!
    ネタバレ
    2022年12月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ いくら未成年とはいえ、命の危険に迫られているわけでもないのに、本人の合意なく、颯太にいたっては保護者の同意もなく脊髄をどうにかしちゃうような手術によって番剥がしをする医者がいる世界…。それってどうなんだろうと一気に冷めてしまいました…。

    その点を除けばキャラクター一人ひとり魅力的ですし、狂気を孕む執着ワンコと歳上幸薄一途な美人の組み合わせは読み応えがありました。
    幼い頃から2人が築いてきた関係性もエモかったですし、番になるえっちも素敵でした。
    その直後の幸せぶった斬る番剥がしエピソードに引きましたが、そこに負けず最後は(少々無理矢理感があるものの)一応のハッピーエンドになってくれて良かったです。読後感は悪くないので、無料で読めて満足でした。
  • 埋葬計画

    本穣藍菜/しちみ

    悲しい、しんどい。でも読んでよかった。
    ネタバレ
    2022年12月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 執着攻めは大好物なのですが、葛城さんの思考は凡人の想像の斜め上をいきすぎて、結末がしんどかったです。
    昴を傷つけた男たちを許すことができず、自分を傷つけた昴を許すことができないって、結局昴への執着より上回る何かがあったということでやっぱり違う気がする、と今違和感の原因に思い当たりました。
    出会わなきゃよかったのにね。市瀬くんとうまく行けば幸せになれただろうにと心から思います。読後は良くありませんが、出てくるキャラクターは好きなので読んでよかったです。
    チラリと出てきた巽と昴との会話が可愛くて好きでした。巽新がラブラブだということだけが救いでした。
    いいね
    0件
  • 新婚オメガの戦国初恋絵巻

    雨月夜道/すずくらはる

    題名の印象で読んでいなかった自分を悔やむ
    ネタバレ
    2022年9月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 題名から、ちょっと軽いノリの戦国パロオメガバース的なイメージを持って高レビューにもかかわらず避けていた作品でした。そんな自分をグーパンチしたい!

    読んでみたら、キャラクター設定の深さや戦術の面白さ、オメガバースの番の設定をうまく絡める展開であっという間に引き込まれました。

    傑さんの底知れない深い闇と、それを吹き飛ばす葉月の優しい明るさに涙と微笑ましさとに、幾度となくぎゅうと心臓掴まれつつ読みました。
  • パパ×パパ~αとΩで夫夫やってます~

    近藤旭

    一言一言泣かせます
    ネタバレ
    2022年9月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 幸せな幸せな家族のお話。
    愛情をきちんと相手に伝え、幸せを噛み締める2人の姿勢が本当に素敵です。胸がいっぱいになりながら読みました。苦しい過去がありそうなので、幼少時代〜出会い、思いが成就するところまでのエピソードも読みたいかも。
    いいね
    0件
  • 嫌いでいさせて

    ひじき

    なんとなく読まず嫌いしてて後悔…!!
    2022年8月13日
    レビューが高くて気になってはいたのですが、1巻の無料分の絵を見てあまり好みでなく、読まずにいたことを激しく後悔しました…!!
    ものすごく深く愛し合う主人公2人と、子供たちとのエピソードに何度も泣きました。。
    現実は御伽噺のように結ばれてはい、めでたしめでたしではいかないもの。家族一丸となって日々を一生懸命過ごし、幸せを築いていけることが素晴らしいなと思いました。
    絵もどんどん繊細で美しくなり、大好きな作家さんになりました💕
    いいね
    0件
  • オールドファッションカップケーキ

    佐岸 左岸

    3、40代にはリアルで刺さる作品
    ネタバレ
    2022年6月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 40代ですが、言葉の一つひとつが厳選され、抉られる、とんでもない破壊力を持った作品でした。ですがキャラクターそれぞれが魅力的で、可愛くて、一生懸命で、悩みに悩んで理想的な答えに辿り着いてくれるので救われた気持ちになりました。
    同性で上司と部下で、同じ職場で愛し合った2人が、共に時を重ねるために選ぶ選択肢と、そこに至るまでの過程が、メルヘンでありながらリアルですごく好きです。

    定期的に読み返したくなる愛する作品です。
    (ドラマも配信されている2話まで見ましたが、漫画の雰囲気を可能な限り再現してくれていて今後も楽しみにしています)
  • 気まぐれなジャガー【単行本版】

    ウノハナ

    秀逸な作品
    2022年5月18日
    数多のBL作品を読みましたが、漫画の中ではトップクラスに素晴らしい作品だと思います。キャラクターが皆魅力的でスピンオフが出たら是非読みたいくらいです。
    お互いがじっとりとお互いを好きで、だからこそ拗らせる時期もありつつ、それを乗り越えて2人ならではの関係性を築くストーリーがとても好きなので、これはど真ん中でした。才能を持つものと持たざるものならではの葛藤も好み。何度も繰り返し読み返したくなる作品です。
  • 縁切りαは番になりたい

    やごとき智

    作品ではなく読み放題に意義あり
    2022年5月17日
    最終話だけ読み放題対象外って、読み放題の価値を貶めているとしか思えません。ただでさえ読みたい作品が対象になっていないことが多いのでやめていただきたいです。
  • blanc

    中村明日美子

    表紙を並べて眺めたい…
    ネタバレ
    2020年12月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まさかこの2人の結婚式が読める日がくるとは思ってもいませんでした。
    紙の本の時代から、大切にしていた作品です。先日たまたまアニメ版を発見し、それがまた素晴らしい映像作品だったので、また読み返したい!とシーモアで検索。この作品に出会いました。
    もう、涙なくしては読めませんでした!!
    ハラセンのスピーチにもグッときたし…。
    利人のお母様と、光のご両親も素敵で…。
    それにしても、この2人。
    触れ合うたびに「大好き!」が溢れ出る、ほんのり上気した頰や、耳の描写が、本当に本当に尊くてキュンキュンします😄💕

    お幸せに…。
  • かしこまりました、デスティニー~Answer~ 下

    さちも

    読んでよかった…
    2018年4月10日
    心からそう思える作品です。読み終わって幸せな気持ちになる作品に久し振りに出会いました( ⁼̴̶̤̀ω⁼̴̶̤́ )
  • 秘密 season 0

    清水玲子

    長年読んできた甲斐がありました…
    ネタバレ
    2016年8月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最後から2ページ目…。

    このページのおかげで、第1回から15年以上読んできた甲斐がありました(T_T)
  • きみがいるなら世界の果てでも<特別版>【イラスト入り】

    榎田尤利/円陣闇丸

    小説だからと嫌煙せずに読んでよかった!
    2013年11月2日
    きみがいなけりゃ息もできない、の続編が読みたかったので、小説はどうなんだろうと思いながらも購入。
    結論から言うと、漫画を読んでいるのと変わらないほど描写がしっかりしているのでとてもすんなり読めました。二木のいじらしさや、東海林の意外なダメっぷりも見れて満足できる作品です。★一つ減らしたのは挿絵の画質が荒いため。ノベルス全てがそうなので仕方がないのかもしれませんが、挿絵も含めて作品の魅力だと思うので、改善を求めたいです。
    これは余談ですが、番外編に出てくる気になる設定の漫画家さんと担当さんの話も別に読んでみたいなと気になります。
  • 花は咲くか

    日高ショーコ

    気持ち重視の方にオススメな年の差の恋
    2013年10月30日
    大学生の蓉一と、広告代理店勤務の桜井、年の差18、19歳。出会ったときには互いに反発してイライラしつつ、どこか気になる存在。それかゆっくりと時間をかけて惹かれあっていく描写にときめきます💔
    3巻までかかってようやく言葉で思いを確認しあった二人。4巻以降その関係がどう進展するのかしないのか、とっても気になります。早く電子化してくれないと、コミックを買っちゃいたくなる勢いです!
  • 恋姫

    門地かおり

    途中で読むのをやめたらダメ。
    ネタバレ
    2013年8月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 途中で断念なさる方が多いようですが、
    最後まで読まないと勿体無いように感じました。途中の短編たちは、暗い話もあり、
    スピンオフのような話もありモヤモヤが残りましたが、それでも最後の小春日和まで読んで、ようやく満足できました。
  • シグナルレッドベイビー

    北上れん

    泣けるBLです
    2013年6月21日
    笙吾の不器用で傷つきやすい繊細な心情と、それを温かく守っている和美の愛情深さに泣けました。
    絶対的に愛してくれる存在(しかもイケメン)がいるって素敵だな〜🙂💕って、感じさせる素敵な作品です。
    特に7話、8話のやりとりは必見。
    ちなみに10話からは宗近さんの話になっています。
    おまけ漫画のある日のみなさん。はおすすめ。みんなの輪のなかに入りたいのに入れなくてうじうじ拗ねている生臣お父さんや、マーキング激しい和美ちゃんがかわいいです♦
  • お届けします

    加東セツコ

    一話一話が短すぎて内容が薄い…
    2013年4月4日
    無料立ち読みを見て、絵も綺麗だし続きを読みたいなと思って購入しましたが、買う価値は正直なかったです。
    どの話も中途半端で、登場人物にも感情移入できません。申し訳ないのですが、購入しないことをお勧めする作品です。
  • 鮫島くんと笹原くん

    腰乃

    ほどよくリアルで良い作品ですよ!
    2013年3月20日
    潔癖で、一見器用そうだけど、実はコミュ障の鮫島君と、無神経で面倒くさがりだけど、実は誠実で一生懸命な笹原君。二人ともがほどよくリアルで、すんなり読むことができます。
    本当にいそうな二人だからこそ萌える。

    特に鮫島君の性癖やら、コミュニケーションの取り方やら、現代っ子だなあ!と何か納得してしまいました。
    無料立ち読みを見て、絵が少し苦手かなと思いましたが、実際はキャラクターが魅力的なのであまり気になりませんでした。
    皆さん書かれているように、鮫島君のTシャツにたまに現れては暴れるサメがかわいいです(笑)
    ボリュームもあるし、エッチも丁寧に
    描かれているので、買って損はないと思う作品です。
  • ポルノトピア 【短編】

    井上佐藤

    流石に拒否反応が…
    ネタバレ
    2013年3月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ この作家さんのエロい描写が好きなのですが、流石にこの作品はちょっと気持ち悪くて拒否反応が先に立ってしまいました…😔💦

    副院長がどうしてそんなに魅せられていくのかも、境田さんがどうしてそこまで副院長を
    想っているのかも、この作品だけではわからず…。
    合わせて本編?の方を読まないと楽し目ないのかもしれません。
  • キスアリキ。

    新田祐克

    14話〜の話は異色です。。。
    ネタバレ
    2013年2月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作は絵が綺麗で、個人的にはオヤジ2人がいい味だしていて好みでした。
    透の気持ちが、ちょっと唐突に感じる場面が多かったのですが、そういうキャラクターと納得すれば読めます。
    ただ、14話からのW劇場は異色すぎて合いませんでした…。表題作とは関係がないショートストーリーです。受がブサイクで暗いネカマオタクという設定で、本当ならときめくポイントであろうところで「気持ち悪い…」と感じてしまいました。
    やっぱり見た目の綺麗さってBLには重要なようです。
  • ピクニック

    山田ユギ

    表題作が秀逸です!
    ネタバレ
    2013年1月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作含め短編がいくつか入っていますが、「ピクニック」が特にお勧めです。野田がとにかくカワイイ。身体的には大胆なのに、「泊まったりしたら幸せすぎてイっちゃう」と、お泊りは頑なに拒むというわけわからなさ。周りを固めるキャラクターもみんな魅力的なので、ストーリー自体も楽しめました。
    程よくエロくて、絵もキレイで大好きな作品です!
  • 卒業生-春-

    中村明日美子

    高校生同士の一生懸命な恋愛関係
    ネタバレ
    2013年1月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 卒業式の後の様な読後感です。
    草壁と佐条がお互いを精一杯思い合って、ときめいて、少しずつ近づいて、恋愛関係を進めていく様がむず痒くなるくらい可愛らしいです。
    念願のえっちシーンの描写も素敵でした♥誓いのキスをリクエストしておいて、自分で傷つく原先も憐れ(笑)幸せになって欲しい人です。
    もうちょっと続きを読みたいけど、もう続きがない。寂しいけれど、晴れやかで清々しい。そんな卒業式の後みたいな感覚を得られるオススメの一作です。
  • 1限めはやる気の民法

    よしながふみ

    全話購入して後悔なし!
    2012年12月7日
    どのキャラクターもめちゃくちゃ魅力的。
    特にツンデレな田宮に萌え死にそうでした。藤堂が髪を切ったときのエピソードがかわいすぎます。大学時代から30歳まで、長期スパンでストーリーが展開していくので満足度が高いです。
    絵は綺麗で、エロい。
    完璧な作品だと思います。
  • 愛とは夜に気付くもの

    よしながふみ

    作品自体は本当に最高。
    2012年11月29日
    ただただ、分割の仕方が「無粋」の一言に尽きます。購買意欲をそそるためか、ここで切る?!というシーンで区切れているのが残念でした。
    執事の分際が入っていないのもあって★を減らしました。

    でも、作品自体は執事ものの名作です。優秀で冷静な執事と、美しくて我儘なご主人様という典型的な設定ですが、独特の話のテンポがあってありきたり感がありません。
    いつもクールな執事のクロードが、実は深く深くアントワーヌを愛しているエピソード満載でときめきました。
    特に題名にもなっている、「ああ、主よこの喜びを〜」の台詞。悶絶の愛情表現です。
    エッチシーンも美しいですが、大分削られている気がするので、好きな方はコミックも購入することをお勧めします。
  • 僕らの三ツ巴戦争

    SHOOWA

    高評価に釣られた…
    2012年11月25日
    高評価なので3から6話だけ購入してみましたが、私には何が魅力かわかりませんでした。
    絵は確かにかわいめですが、雑だし全体的に白い。
    人の構図も狂ってる。
    話はキャラクターに共感できるような魅力がない。ただエッチしたいだけ?
    買って後悔です。