『BUDDIES』がかなり良かったのでこちらも読んでみました。一冊とは思えない濃厚さで、次から次に分かる心理や事実の明かし方が秀逸でした。お互いがお互いの意味深な言葉に動揺したり疑心暗鬼になりながらも、常に相手を思いやる姿・行動はなかなか感動ものでした。
嘘にも種類があると…大人なら理解できますし、相手を傷つけない(守る為の)嘘なら許せると思うんですが、これはそんな単純な話ではないんです。お互いに、自分の為と相手の為に隠している事があって、それを守る為に行動します。でも二人とも互いを知り尽くしてるので見抜かれてるんですよね…でも何を?どこまで?は分からなくて考えてしまう。その辺のすれ違いにも似た心理描写とやり取りが素晴らしかったです。
まるでオセロの盤みたいに、ストーリーが進むごとに白黒がひっくり返り情勢が変わります。一冊なので、経験から「この辺で落ち着くだろう」箇所があったのに、それを何回更新されたか分からないくらいで、最後の最後まで次々に判明する事実に驚かされ続けて、気が抜けず楽しかったです。恋愛もののミステリーを読んでるみたいでした。