本当に、色々なことを考えさせられました。
障害を負った晴人。傍で寄り添う晃。
ただ『パートナーに障害がある』ということだけではなく、もっと奥深くに切り込んだお話でした。
心にズンっと、ジーンときて涙が溢れます。
同性であるが故以上の壁が立ちはだかる二人の生活。諦めざるを得なかった夢や日々の生活の中での細々とした不便。
甘いだけではなく、痛みを伴うBLでした。でも全体の空気は優しい。晃と晴人が互いに心から想い合っているからだと思います。BLの醍醐味です。それから先輩の存在が大きいおかげかもしれません。
後半、晴人の『希望』に胸が締め付けられます。私は否定派ですが、それが救いとなることもある。考えさせられました。
そしてエピローグが秀逸です。エピローグで涙腺が決壊しました。ぜひエピローグまで読み、温かい読後感に浸っていただきたいです。