先生の作品は『チキンハートセレナーデ』が好きで、評価の高さとタイトルに興味を惹かれて読んでみました。何だかもう色々と良い方に裏切られた感じで面白かったです。まず設定、幼い頃の淡い恋心から始まる年の差ピュアラブストーリー…かと思いきや、片山のツンが半端ない。氷点下級の冷たい視線や鉄壁を誇るであろう拒絶…にもめげずに愛を示し続ける高宮のいじらしさ。変則ノリツッコミみたいなやり取りや若干ドタバタコメディみたいな二人の様子が楽しかったです。
片山のツンは、確かに厳しさ・冷たさを含んでいますが、なんて言うか気品みたいなものを感じました。あと、年長者としての優しも少しあるような気がします。そんな片山だから時々見せるデレ(と言えるのか分かりませんが)は極上で希少価値が高いのだと思います。素直な反応が返ってきただけで舞い上がってしまう高宮の気持ちがよく分かりました。
2巻のラストの方で実際の年の差が明らかになりますが、それまでは小さくて12才差、大きくても17才差くらいかな?と思っていましたが、まさかの22才差には驚きました。読めば読むほど高宮の愛の強さ真剣さが伝わってきて、切ない胸の内を見ている時はジワっときてしまったくらいです。今最高に気になる年の差カップルの続きが楽しみです。