ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、
」のレビュー

ハンケチーフ持って、タイムマシーン待って、ラストシーン黙って、

佐岸 左岸

重い話も文字数多いのもドンとこいの人GO

ネタバレ
2026年1月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説の全セリフに絵が描かれている、というくらいの圧倒的文字数です。
これ1冊で通常の漫画なら2冊分くらいの情報量。
街中で偶然出会った動物探偵の可児と居酒屋店員の花虎。2人が軽やかに交わしていく会話の奥にあるそれぞれの過去があまりに重すぎて久々にダメージくらいました。
また花虎の職場関係の人たちが闇を抱えた現代社会の代弁者みたいでやるせないやら腹が立つやら・・・

自分や相手を語るとき、2人とも甘い言葉も優しい慰めの言葉も使わない。
使わないけれど、私達が普段聞く言葉の本質を的確に膨大なロジックで輪郭を作って提示してくれる。
何に苦しんで何に悩むのか、引き出しをたくさん持たされた彼らから発せられる言葉には嘘も媚びもなくて、読者の脳と心にも話しかけているようにも感じました。
一見屁理屈で面倒くさいけどとても誠実な言葉たち。あぁ先生の作品だなぁと。

花虎の長髪がとても似合ってて好きだし、なんといっても表紙が最高です。
何なら表紙とタイトル買いしたまであります。可児のインテリぽい黒髪&メガネも大好き。
まだ謎多き花虎の同居人の冬介や後輩の八作との関係もすごく気になる。彼らは花虎の過去をおそらく知ってる人達であり出てくるとホッとするけど、特に冬介の本心が見えなくて先が気になりすぎます。
BLの要素を通してその枠をはるかに超えた社会へ投げかけるようなストーリーの面もあるものの、先生のキャラの魅力に救われるから重くても何度も読める。

1巻のラストがめちゃくちゃ気になる終わり方をしていて、どれだけしんどかろうが2巻を読まない選択肢はないです。2巻終わってからの方が色々はっきりして良さそうだけど、考えだしたら止まらなくてつい長々書いてしまいました。
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