初読したとき私は言葉が出ませんでした。こんなに満足感のある1冊を読んだのは初めてです。小説のような、一つひとつのキャラクターが放つ言葉選びがすごく素敵でした。
この作品は、純愛×人間賛歌とタイトルにしました。
(黒髪攻め)淳と(金髪受け)晃介は、年の差恋愛で晃介は成人済大学生、淳はアラサーです。いくら成人していると言えど、晃介は大人と子供の境目を生きる学生なので淳はその事について深く悩みます。今まで女性と付き合い、結婚も視野に入れたことがあるほど大人の恋愛をしてきた淳は、晃介のような学生で男性、そしていつか漠然とすると思っていた結婚と家庭について考えていきます。
私にとって、お付き合いをする、というのは好きという感情だけでは成り立たないと考えています。それは年齢を重ねる毎に重くなり、いずれ結婚やパートナーとして添い遂げるのなら尚更です。大人という生き物は責任という言葉が付き物だと思います。けれど、人と付き合い、触れていき未来を考える上で1番根底にあるのは好きという感情だと考えます。重要かどうかは人によって異なりますが、好きがなければ始まらないとも考えています。
淳と晃介の物語は、ただ2人の恋路を辿っていくだけでなくそれぞれがどのようにして悩み考えていくのか、恋愛だけでなく人生としての悩みも絡めながら描かれている作品です。
2人のこの先の人生を暖かく見守りたいと心から思いました。見て損はありません、是非一読してみてください。