三上先生のデビュー作。
母を亡くし、父や兄に疎まれ、幼い頃から離れで暮らす巴と、そのお世話係をする施設育ちの南雲。
家族の愛を得られず孤独な2人が互いを必要とし、惹かれ合うのは必然で。
「好きだから何もかも投げうって一緒になりたい」
「好きだから彼の将来のために離れないといけない」
お互いへの気持ちはあるのに交わらない2人が堪らなかった。
不遇な2人にはこれからうんと幸せになってほしい。
描き下ろしや特典でその後の2人がチラリ見えましたが、もっと甘々幸せな2人が見たい!
三上先生の、懐かしい少女漫画のような絵柄やタッチと相まって、優しくも切ない、でも最後には温かな幸せも感じられる話。
花や花言葉を効果的に絡ませているのもよく、ラストには「スズラン」が。
ぜひ読後にはその花言葉を…