初めてこの作品を読んだ時の衝撃が忘れられない。そこから読み返す勇気がなかった。あの鈍器で殴られたようなラストがフラッシュバックするからだ。青年2人の逃亡劇。信仰とは何なのか。赦されたいのは神になんかじゃない。自分のために行動した。それでも彼らは過去に囚われている。いつだって親は子供に正義を振りかざす。それがどれほどの影響を与えるとも知らず。周囲の環境が彼らを創った。救えたはずの彼らを。現実世界でどれだけ移動しようが、別の土地へ行こうが、心が囚われたままなら、それは意味のないことだ。しかし、君の隣に居られるなら。君の隣にいることが、僕の生まれる前からの願いだったのかもしれない。彼らが息のしやすい世界で笑っていることを願って。