「黒い後見人」と同じ世界観を共有する今作。日本語に翻訳されたと知り、滾りました…!!こっちの作品にもルース(ルシファー)が出てきます。黒い後見人を未読の人はそちらも併せて読んで欲しい。素晴らしきスス先生節を堪能できます。
純白の世界は聖書を下敷きとしているせいか、黒い後見人よりもさらに抽象的かつ難解に仕上がっています。しかし、作者が伝えたいこと、言いたいことはズドンと伝わる、そんな作品。分かりにくいのに分かる。その難解さに揉まれていたらあまりにも儚く尊い愛?信仰?に胸を貫かれて虜になっちゃう。でもblではないかも。そこが好きなんですけどね。当方キリスト教系の学科に行っていた経験があるのですが、その際に受けたキリスト教の授業を思い出しました。神は何にもしてくれないのになぜ神を信じるんだろう。この作品を読みながらそんなことを考えてしまった。きっと誰しも何かを信じたくて、そしてその対象としての神を求めてるのかなって。「力一杯信じてもいい存在」を弱い私たちは求めているのかも。個人的には「神」がちゃんと黒人というか浅黒い肌なのが良い。イエスキリストも黒人だったらしいもんね。前作と同じく下敷きのしっかりとした骨太な作品でした。ひとコマひとコマ大好きなので、何度でも読み返したい。ぜひいつか紙の本で出版して欲しいなって熱望してます。
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