ヒトと、ヒトではない生き物たちがふれあう物語。短編集です。
上下巻ありますが、私は特に上巻の物語がお気に入り。
中でも上巻の表紙にもなっているお話の「ナプタム」。鳥人族の青年と、恋に破れた人間の女性の物語。
傷心旅行に訪れた先のアマゾンで不慮の事故に遭い、鳥人のナプタムに救われたハンナ。そうとは知らずに彼女が鳥人族にとっての求愛行動をしてしまったために、ナプタムは異種族である彼女を本気で愛してしまいます。彼らは生涯でたった一人しか愛せないという枷があるのに。
まずナプタムが素直で愛おしすぎるし、ハンナはパワフルで失恋の悲壮感を感じさせません。二人のやりとりがなんとも面白くて微笑ましい。
彼女を嫁にするのだと訴えるナプタムですが、鳥人族の族長は絶対に認めようとしません。これにはある理由があり、族長の過去として下巻の方に描かれています。
その他の短編も魅力的なものばかり。長くなってしまうので全て紹介できないのがツラい!私にとって新しい世界観のお話が読めた素敵なご本でした。