レビュー
今月(4月1日~4月30日)
レビュー数0件
いいねGET1件
シーモア島


投稿レビュー
-
“そういう嗜好の人”向け2020年5月20日表紙からして、最近の“人が食べる姿に性的魅力を感じる嗜好”の人々のための漫画なんだろうな、と思って怖いもの見たさで見たので、予想通りでした。
こういう方針の漫画、もう“食事成人向け”とかそういうジャンルにして隔離しても良いんじゃないですかね?
この漫画は、ただ飲食を性的に表現するだけでなく、勝手に人の家にあがって、無言で料理し、食べて(男に「あーん」で人参食べさせてもらうのおねだりしたりして)、お礼も言わずに去る、という理不尽さがすごかったです。人の食事姿に萌える人にとっては最高に都合の良い妄想なのかな?私だったら嫌ですが...。
あと、“ぱほ。”(ご飯をよそる音)とか、“くみゅっ!”(焼き蛤を噛む音)とかが、あざとすぎるというか、作者のぶりっこ感を感じて何かゾワゾワしました。何なんですかその“。”は...
あと、作者コメントみたいな部分で「あのムスメは今回も栄養偏ってるわ!」「男でも女でもたぶらかして!」みたいな突っ込みを入れてるのすごく寒いし、作者はこのキャラクターがめちゃくちゃ気に入ってるんだろうなあ、と引いてしまいました。 -
-
奇跡の中二作品2019年11月12日表紙の、眼帯&頭痛ポーズ&構造の分からない服を見て「また中二病をネタにした漫画かな~」と思って見てみたら、本気だった...!ネタにするとかじゃなく、作者さん、本当にこれがカッコいいと思ってる、本物の人だった...!
“中二病”がさんざんネタにされ、メタ化されている昨今、こんなに純粋な中二っぽさってなかなか見られないと思います。90年代くらいの作品なのかな?
細くて長すぎる脚、やたら大きい瞳など、いろんな有名作家さんの影響を感じますが、画力がいまいちなのでパクりきれておらず、中学生がノートに描いている漫画そのものって感じです。
子供の頃、ノートに“わたしの考えたさいこうにかっこいいファンタジー”を書いていた黒歴史を持つ人なら、きっと「うわ...ひええ...」と背筋ぞくぞくさせつつ、ひきつった笑いが止まらないことでしょう。そういう体験がしたい方に、逆にお勧め。 -
幼すぎて...2019年11月12日登場人物たちの年齢が低すぎて(小学4年生)全く共感が持てなかったです。
ただただ、年端もいかない子供たちが可哀想に...という感想しかないし、正直、そんな年齢の子供が殺人や遺体処理をする描写は悪趣味だと思いました。そもそも、登場人物たちが小学4年生である必然性が感じられません。大学生とか、せめて中学生くらいでもストーリー的に支障無いのでは?低年齢であればある程、よりショッキングだろうという狙いなのでしょうか。
この漫画に感情移入できるのは同年齢の子供たち(もしくは精神年齢が同じくらいの人たち)だけだと思うけど、そんな年齢の子供には悪影響だと思うし、想定されるターゲット層が分かりません。子供のキャラクターを見ることが楽しい性癖の大人むけ?
汚染強迫の描写は肌感覚に迫る感じですごいなと思いました。いいね
0件 -
本好きには苦痛なシーンの連続2019年10月7日本を愛する本屋さんがメインキャラクターなのに、1話目では本(売り物)を積み上げて踏み台にし、2話目では女子生徒の八つ当たりにより図書館の本が大量に散乱、3話目では子供が本を両側から引っ張りあい破る...と「作者は本に何か恨みでもあるのか?」というレベルの本傷めつけっぷり。
そして、それらを見ても、本好きのはずのキャラクターが平気な顔をしているので、全然本好きに見えません。
売り物の本を踏み台にするヒロインも、お馬鹿っていうより人として当たり前の配慮や気遣いが無いように感じられてしまって、全く好きになれませんでした。 -
-
-
-
良質なサイコ物2019年8月19日ヒロイン大好きです...!
デスゲーム物とかにありがちな、普段は余裕のないメンヘラ気味の子が、ヤバいことする時だけ急にイッちゃった顔になってヒステリックに叫ぶ的な、陳腐で萌え狙いな"ヤンデレ"キャラじゃない、むしろ洋画・洋ドラの連続殺人鬼物を連想させる、一貫性があって冷静で純粋な快楽殺人者。
主人公はあくまで可愛いし、変にほだされたりしなくて有能だし、親友のことはずっと大好きで純情だし、目標のためにタスクを分析して着々とこなしていく姿に爽快感がある。
ストーリー自体にはミステリーっぽさもあり、試練を潜り抜けていくヒロインの成長ストーリーとしても読めて、サイコ主人公物が好きな人ならきっとハマるはず! -
もっちり感2019年8月16日受けの子が強気なところと、綺麗系絵柄なのにしっかり厚みのある生々しい体型してるところが良かったです。内容は、お約束の媚薬ものを延々見たい人のためのストーリーだと思います。
いいね
0件 -
良きヒゲ...2019年8月16日表紙の攻めのルックスがツボだったので購入。眼鏡美人クール受けは別に好きではないけど、攻めがかっこいいので充分。
元々関係があった仲が一度別れて数年ぶりに再開して...というシチュエーションも好きなので3話目までは楽しかったですが、スーパーイケメンセレブ(笑)の当て馬が出てきた辺りで、ああこの後はBLのお約束的な話になるのかな、もう続きは良いかな...となってしまいました。
もっとフツーの中年(妙にフェロモン出したり美形男に狙われてたりしない)がちょっとかっこいい中年とカップルになるだけの話を冒頭で期待してしまっていて、そういうのが読みたかったです...いいね
0件 -
-
-
面白さより気持ち悪さが勝ってしまう2019年8月14日シュールなギャグ漫画を読みたいな、くらいの気持ちだったんですが、どうしても、面白さよりも気持ち悪さを感じてしまって......何でだろうと考えてみたところ、これが男女逆だったら完全にアウト、笑えないなぁと気付き...性別どっちがどっちでも、人を(しかも未成年を)嗜好品のように消費するのはやはり不快だわ...という個人的結論です。
自分は男子高校生という存在一般が可愛いとか考えたことがないので...。そういう嗜好の人なら楽しめるのかもしれません、フェチ漫画として。
キスしてるカップルの間に手を差し込んで、男の子の唇に触った掌を舐める話が、とくに気持ち悪くて、全く面白がれない気持ち悪さで、真顔になりました。自分の腕を焼いて焼き肉の匂いを漂わせて男子高校生をおびき寄せる、とかそのくらい狂気が突き抜けている話はギャグ漫画として読めました。いいね
0件 -
理不尽・陰惨・実話2019年8月12日掌編集です。
作者らしい、陰惨で、罪も無い若い女性がひどい目にあったりする、胸糞悪い話が延々続きます。とくに毎話はっきりしたオチがあるわけでもなく、ただ理不尽に終わったり...。
個人的には特に『花嫁の舌喰い』が嫌でした。
末尾の、故郷で実際あった話ですという注意書が最大の驚き所でした。そう思って読むと、都会から来た余所者への反発や、科学的な分析結果より僧侶の解説を信じるところなど、近代化途中の日本の農村の様子がうかがえて面白いです。
最後の話だけ、ほっこりして終われるので、読後感がかろうじて救われました。いいね
0件 -
日常と非日常の友情2019年7月21日作者さんの言葉の使い方や、漫画の言語としての絵の表現がすごく好きです。赤岩くんの泣き方とか。笑
すごく地に足の着いた日常の描写と、漫画ならではのドラマチックな世界がさらっと交差して、嘘臭くもなく退屈でもない絶妙の匙加減。
この作者さんのこのくらいの長さのお話をいっぱいいっぱい読みたい…という気分になります。いいね
0件 -
-
この世界の住民になりたい2019年7月17日穏やかなのにミステリアスで…それなのにリラックスできて、セクシーなのに無邪気で…作者さんの描き出す世界観が大好きです。
試し読みで、えっ京田最高、京田かっこいい、もっと見たい…となって購入しました。
普通のBL作品ならただの当て馬でしかないはずの高橋くんが、めちゃくちゃ不思議で素敵な存在だったのにもハートを撃ち抜かれました。すごい……いいね
0件 -
レトロでおしゃれな百貨店2019年7月16日お坊ちゃんな社長にぽんぽん意地悪なことを言ったり、平気で主人公の膝に乗って主人公の恋人たちの名前を並べたりする"七階の彼女"が悪戯な猫ちゃんみたいですごく可愛い!
知性があるので彼女だけは主人公になびかず、そんな女性だからこそ主人公は彼女に惹かれてしまう、みたいな解説を見ましたが、こういう憎まれ口も、じゃれあいの一部というか…、別にそんな鋭いことを言ってるわけでもないので。
むしろ、気の合う男女の悪友同士がレトロでおしゃれな百貨店の中で綺麗なものに囲まれて毎日享楽的に暮らしている、という素敵な絵画のように楽しみました。いいね
0件 -
何のためにそのバンドはいてるの?2019年7月11日リアリティ度外視の、えっちなシーンを見せるための漫画だというのは分かりますが、だんだんパンツが作者の中でゲシュタルト崩壊(?)していったのか、途中からもうパンツに見えない。ヘアバンドか何か太腿の上の方に巻いてあるだけという感じ。
パンツ姿になる&パンツが脱げていくのがマンネリすぎて、もう何のドキドキ感もないというか、登場人物たちにとって至極当たり前のことに見えてしまうというか…。シンプルで妙に爽やかな顔面のせいもあって、全くセクシーに見えない、何を目指しているのか不思議な漫画。
あと、男子中学生のみんなは、漫画に描かれているのが、実在の女性とは何の関係もない架空の生物だということをちゃんと理解しておいてね、っていう気持ち。 -
軽妙な文章だけど…2019年7月11日冒頭の、京都には大きな川が無かったので、自死方法が身投げ以外になって…という考察が面白かった。着眼点のユニークさと、ブラックユーモア。
後半は小説体になり、オチは読めなくもないです。あくまで軽妙な語り口なのに、登場人物の心情を想像してみるとしみじみ暗い気持ちになる、というギャップは面白かったです。
でも「自死が最後の逃げ道の人から、その道すら奪うのは残酷」というテーマは、私にとってはあまり説得的ではなかったです。この小説の設定だと、割と人々が安易に自死という方法を選ぶようなので、自死を試みたことによって、初めて「あいつそんなに悩んでたのか」と気付いてもらえた人が、周囲に慰められたり配慮してもらえたりして、悩みが解消していき、自死の理由がなくなるという可能性だってあるんじゃないかと…。いいね
0件 -
リアルさとファンタジーさの両立2019年5月14日作者さん買いです!!
この方の作品は、レーベルはBLであっても、恋愛描写だけに囚われない、総合的なストーリーや描写のクオリティの高さがすごくて、いつも心を奪われます。
今作も、表紙とあらすじで「シンプルな事件解決物ファンタジーかな?」というイメージしか持たず、本編読んでみたら、捜査物海外ドラマのようなリアルな描写と心理劇が…!ファンタジーな部分はちゃんとファンタジーで、でも全体的な世界観を崩すこともなく、絶妙だな~~と夢中になりました。
他の方のレビューを見て思ったのですが、"BLを"読みたい!という気持ちで読んで、「BLじゃないじゃん!」となる方がいると、その方にとってもこの作品にとってももったいない気がするので、"※ブロマンス程度です"みたいな注意書きは付けられないものなんでしょうか?逆に、普段BLを読まない層にも、この作品が刺さる人きっといると思いますし…。ジャンル分けって必要ではあるけど、こういう時は不自由ですね…。
余談ですが、脇役で、作者さんのお好きだった映画のキャラクターがモデルかな?というキャラクターが出てきて、すごく魅力的で、思わず笑顔になりました。 -
15~16歳だと思い出すと…2019年5月10日力の抜けたお色気ギャグ学園物漫画なので、何も考えずに読めば良いと思うんですが、"高1(15~16歳?)の女の子に大人が性的サービスを教えている"という設定を思い出す度に「未成年になんてことを…」とモヤッとしてしまいます。こんな漫画に真面目な突っ込み入れるなんて無駄だ、と考えないようにがんばったんですが、時々どうしても思い出してしまって…。せめて生徒が18歳以上とか、商業高校じゃなくて専門学校とかだったらな。でも、作者さんはセーラー服着た、高校生くらいの齢の女の子がフーゾクごっこやるのが描きたかったんでしょうね…。
いいね
0件 -
-
-
世界の終わる瞬間、誰といる?2019年4月13日『カウントダウン・シティ』から続く、3部作の最終巻です。
世界の終わりまであと7日間という時間制限の焦燥感が、息苦しいほど。これまでの2冊とくらべて、普通のミステリ的な要素は減り、終末の世界を描き出すのに重点が置かれています。最後までダレない筆致はさすが。
はっきりした救いや癒しがあるわけではないのだけれど、ああこの物語がここに行き着いて良かったなぁと思わせるような、不思議と心の温かくなる結末。つらい読後感にはならないと思います。
"世界の終わり"物が好きな人には強くお勧めしたい3部作です。いいね
0件 -
世界の終わり77日前は多分こうなる2019年4月10日3部作の2作目。『地上最後の刑事』→本作→『世界の終わりの七日間』です。
ほぼ機能停止してしまった社会が、読んでて落ち込みそうにリアルです。隕石映画の"手を握り合って空を見上げ、英雄の活躍を待つ人々"みたいなシーンは一切無し!淡々と地味にリアルに現代社会が崩壊していきます。機能停止した公共機関、自棄を起こす人、現実逃避する人、あやしい宗教、陰謀説…。
3作のうちで1作目が一番ミステリ物っぽくて、本作はハードボイルド物っぽい。何かが特別すごいヒーローというわけではないけど、どうしようもない局面で、この主人公みたいに振る舞えたら良いなと思わされます。いいね
0件 -
地球はもうすぐ終わるけど2019年4月5日「世界の終わり」物が好きなんですが、終末半年前~その時までという時間の長さを3部作にしてじっくり描いた息の長さがすごい!これは1作目で、『カウントダウン・シティ』に続きます。
シンプルで硬派でSFっぽい、このタイトルが目に飛び込んできたおかげで、この3部作に出会うことができました。人間として当然の恐怖や迷いはあるのに、それでも精神の芯がすごく強くて、淡々と世界の終わりを刑事として生きていく主人公が大好きになります。世界の終わりのくせに、妙に地味でリアルな、入り込んでしまう世界観。
読み終わる頃には「この世界と主人公が、あと2冊読める!やったー!」となります。いいね
0件 -
死ぬ云々の前に、女子人気投票が無理2019年4月3日無料分を何となく覗いただけですが、死ぬ呪いとか以前に、主人公の親友が始めた「女子の人気投票」が無理すぎました。盗撮した下着姿の写真を本人に無断で載せるとか、男子が投票することで、さらに性的な写真が見られるとか…。そして、そこまで女子の人格を無視し、性的な娯楽の対象として消費財扱いしている少年への女子への反応が「もう、えっち!(ぷんぷん)」程度なことが、本当にグロテスクです。ここまでのことをやった奴を、お調子者の愛すべき問題児、みたいな扱いで済ませるところが…。漫画の中だから、実際には被害者になった女子はいないわけだけど、こういう世界観を持った作者という人間は実在しているんですよね…。そこがグロい。絵に描かれた死体なんて、そんな事実にくらべればグロくもなんともない。
-
無料で読める良質な犯罪物短編集2019年3月12日どの一作とっても外れが無い。空き時間にちょこちょこっと読める適度な長さで、毎回謎解きがあって、しかも粋な江戸言葉や風俗を味わえる。全編大好きです。
こんな良質な娯楽を無料で得られるなんて、青空文庫はすごい!いいね
0件 -
-
悪役レスラーとしてのマルサス2019年3月11日後世、様々なセオリーや事実(マルサスには予想もつかなかった農業革命など)によって、現在ではすっかり否定されているマルサス。何となくマルサス主義の内容は把握していても、きちんと読んだことはなかったな、ということで購入してみました。翻訳者さんも書いているとおり、溌剌とした文体が読みやすく、陰険な貧乏人嫌いというマルサスのイメージが覆されました。
内容に深くうなずいて「有名な思想家もこう言ってるんだ!」なんて言ってしまう現代人がいたら、けっこうやばいと思いますが、解説が丁寧で、批判点などを押さえてくれているので、併せて読むと良いと思います。いいね
0件 -
-
10代の甘酸っぱい苦悩に寄り添ってくれた2019年3月8日中高生の頃、すごく共感しながら1~10巻辺りを繰り返し読んでいました。あまりにも自分の心の中にがっちり埋め込まれて一部となっていた作品なので、大人になってから読み返して、ポエミーなモノローグに感動できなくなっていたらと思うと、子供の頃の宝物を壊してしまうようで怖くて、あえて読まないようにしていました。
が、完結したと聞いて、この作品に対する自分の気持ちにも区切りをつけたいなぁということで、未読だった巻のみ読みました。綺麗にまとまって、自分の中のこの作品が落ち着くところに落ち着けて良かったです。
前半の熱さにくらべると、終わりの方は、風呂敷をたたんでいったというか、ゆるゆるっと締めて「あえてゆるゆるで締めちゃうかっこよさ」みたいなノリで何とか走りきった印象でした。とりあえず、☆5個つけないと、自分の中に残っている"十代の私"が泣いて抗議してくるので、5個つけておきますが…… -
永遠に続くダークファンタジーと精神の冒険2019年3月8日文庫版の「ヨウスケの奇妙な世界」シリーズで読んだ夢幻紳士シリーズが世界一好きな漫画で、あれらの物語の中だけで完成されている世界、夢幻外伝篇の最終話で世界が完結する(円環を閉じつつも永遠に続くことを感じさせる)のが自分の中で完璧すぎて、そのイメージを崩すのが嫌で、続編にあたるこちらには、なかなか手を出す気にはなれませんでした。
が、これはこれで、それまでの作品で確立された夢幻魔実也というキャラクターが読者に向かってお芝居を見せてくれているような印象だったので、これまでの世界観に付け足されるというより、並行している感じですんなり受け入れられました。
トラウマの原因になった出来事を、何度でも殺して、恐ろしいモンスターを笑いものにしてみせてくれるって、最高に優しいダークファンタジーだなと思います。物語が進むにしたがって無敵の超人になっていった主人公が成し遂げたことが、世界を破滅から救うとかではなく、一人の女性の精神を救うことだったっていうのが本当に好きです。残虐な描写の多い、ダークな世界観なのに、何か癒されるというか、根底に優しさみたいなものが感じられるのは、この主人公の造形の妙だなぁと思います。 -
1、2巻あたりが大好き2019年3月5日最初の頃の、ミヨシ君に乱暴に洗われて「わぐわぐわぐ…」ってパニクってた、危険人物扱いだった主人公がすごく好きです。今7巻まで読んだところですが、だんだん主人公が、ずっと「ごめんねごめんね」って言ってる、皆のために自分を犠牲にして、皆に心配されて同情される、可哀想な可哀想なヒロイン(ある種の読者は自己投影するときっと気持ち良い)みたいに見えてきて、ちょっと冷めてしまい、続きを読むか迷っています。
世界観はものすごく独創的で頭が良くて、とても好きです。ただ、ナショナリズムとかそういうテーマにまで話が広がってしまうと、ちょっとこの漫画では手に負えてないんじゃないかなという印象も感じてしまいました。ヘ○リアみたいに擬人化された国で戯画化するんじゃなくて、あくまで文学研究の中から語ってほしかったなぁと…。
1~3巻辺りは、個人的に☆5つでも足りないくらいなのですが…。いいね
0件 -
猟奇趣味の一環としての"同性愛"2019年3月5日コミカライズの立ち読みで「乱歩がBLっぽいものを書いてたの?」と気になって、せっかくなので原文で読みました。書かれた時代を考えれば仕方ないとはいえ、同性愛は「おぞましくも哀れな変態(だが猟奇小説的にはそこが良い)」みたいな扱いです。現代のセクシャリティ観からすれば、完全にアウトだし、主人公の同性愛に対する理解/受容は皆無なので、レトロ耽美BLを求める人は満足できないと思います。ただ、主人公に想いを寄せるキャラクターは、一途だし、頭も良い、品のある青年で、私は好きです。こんなに地の文にも主人公にも無意識な差別を向けられているのに、それでも魅力的ってある意味すごいな……。
同性愛以外にも、前時代的な"何の悪気もない"蔑視を向けられているマイノリティがあり、それがストーリーの根幹にもなっているので、全体的に、現代の表現だったらアウトです。よって、現代人としては「面白い」と言ってしまうのに躊躇はあるのですが、中盤で明らかになる下手人やトリックの悪趣味さや、クライマックスの妙なエログロ感の乱歩っぽさが好きな人は、楽しめてしまうと思います。ストーリーもサクサク進んで飽きさせず、"現代としてはアウト"な表現がもう少し控えめだったら、もっと有名な作品になっていたんだろうなぁと想像してしまいました。いいね
0件 -
中二っぽい2019年3月5日倫理観の欠けた無気力な少年が殺し屋やってる設定とか、妙に薄っぺらいセリフの数々とか、中学二年生の考えた「俺のかんがえたさいこうにクールなころしや」って感じでした。
あと、兎耳+兎しっぽ付きのパーカーで背筋ゾワゾワしてしまったんだけど、漫画家さん的には主人公を萌キャラにしたいの?可愛いキャラにしようとしてるの?名前呼ばれるだけで動揺するとか「お前なんか大嫌い!嫌いすぎる!」みたいなセリフとか、90年代のBLの受け子ちゃんみたい。
イタタタタ……と思いながら、次はどんなイタい表現が出てくるのだろうかと面白くなってしまって、無料分2巻の最後まで読んでしまいました。 -
問題のある表現だと思います2019年2月7日女性が突然、その場にいない友人がゲイであることを周囲の人たちに暴露し始めるのにドン引きしました。「お前がゲイだって彼女から聞いちゃったよ、あいつ性格悪いからw」「ひでー(泣)」って、笑い事じゃない…。この後、"本人の同意も無く個人の性指向を言いふらすのはプライバシーの侵害だし卑劣な行為だよね"っていうストーリーに持っていくのなら納得しますが、普通に"サバサバして怖い、良い女"って感じの描き方ですよね?意地悪とか性格悪いとか、そういう言葉で表現されてますし。いや、性格の問題じゃなくて、他人のプライバシーに配慮できるだけの知能や感性が無いってことでしょ…?作者さんの自己投影も入ってたりしたら、と思うとゾッとしました。作者さん自身が「こういうサバサバした感じでゲイとつきあうのがかっこいいよね」的な勘違いをされていたら…。アウティング被害者が実在しないことを祈っています。そして、万が一にも、この漫画を読んで「そうか、知人がゲイなことは勝手に言いふらしても良いんだ」みたいに感じてしまう読者いたらと思うと怖いです。そういう現実への悪影響を防ぐ意味で、できればもう人の目に触れないでほしい漫画です。
-