冒頭の最終電車に揺られる攻めと受け。男女のカップルのイチャツキを眺めながら、ネガティブな受けが思う。「俺が誰かの景色の中で幸せな恋人同士の片割れだったことが、これまであったんだろうか」と。それを察した攻めが、誰もいなくなった電車内でキスをする。このシーンで心を鷲掴みにされた。同性婚が認められない日本で、ゲイである自分たちの存在を無視されているように思う彼らは、「俺はたしかにいるんだよ、バーカ」と呟く。彼らの生きづらさを象徴しているようだった。電話で好きと言われ思わず外に飛び出してしまったり、着の身着のままでタクシーに飛び乗ったり、受けは初めての恋に年甲斐もなく浮かれるが、それがなんともカワイイ。攻めは恋に慣れている様子にも関わらず、今まで培ったスキルはどこに行ったやら、初めての恋のような浮かれ具合に親近感を覚える。読み手によっては、モダモダしていてちょっと…と思うかもしれない。ダオヨ先生にしてはエロも無し。エロが無くてもとっても満足でした。