その店のスーツを身につけたものは成功を収めると言われている仕立て屋の男と、仕事に行き詰まりを感じていたインテリアデザイナーの恋のお話。
強面の仕立て屋志田の色気と大海の透明感ある雰囲気がとても素敵な物語です。ストーリーは二人が恋人同士としてお互いが安心して甘えられる距離になるまでを描いています。そのためか、二人がくっつくまでの心の変遷はややあっさりしていて、恋人同士になるまではあっという間です。ただ、知り合って、いいなと思い、恋人になっても、お互いをきちんと知り合うまでにはそれなりに時間がかかり、少しずつ相手の懐を知っていく様子や、相手との心地良い距離感を探る様子に、二人の様々な心情が込められていて、その辺りを描くのがとても上手い作者様だなと感心しました。
受けと攻めが想像と逆だったことに少し驚きましたが、大人の余裕が大海を受け入れ、年下の若さが男としてのプライドで攻める。精神的な関係とは違った夜の一面も愛があって良かったです。