自分自身が彼氏がいないとどこに行くにも寂しい、彼氏がいないと退屈、こちらを顧みない彼氏をただ1人待つ…ということをしてしまう性格です。
タイトルと試し読みから面白そうで、でもなんとなくニコル嬢と改心したケイオスが結ばれて早々に終わると思っていました。でも全然そんなことはなかったです。「婚約者」の枠に囚われて縛られて自分と自我を見失っていたニコル嬢が1人で自分のために移動し、自分のために選び、自分の心の踊る方へ突き進んでいく姿が最高です。
しかも急速にニコル嬢の気持ちが切り替わるなんて雑な事はなく、戸惑いながら時に傷付きながら、そして自分を納得させながらも「こうしてもいいんだ」「私ってこんな事も出来るんだ」「1人でも何かをしていていいんだ」と少しづつ誰かの婚約者で令嬢のニコル嬢、ではなくニコル・ポートレットという1人の女性として人間として前に進み自分を愛していく過程がたまらないです。
ニコルが食堂でご飯を食べるシーンを見て、私も何年かぶりに自分の食べたい物を誰かと相談せずに自分のために決めて、お店まで1人で赴き、1人で食事をしました。
最初は寂しかったし「1人」という自分に不安を感じましたが、ニコルのようにご飯を楽しみきれたかは分かりませんが私という人間だけでも1人で立って歩けるようになりたい、ニコルのように自分のために歩きたいと思えるようになりました。
絵も綺麗でドレスなどのデザインも売っていて欲しいくらい素敵で、他のキャラクターも良いキャラ立ちでみんなそれぞれの魅力があります。
おすすめです。漫画の方、原作の方、編集などのサポートの方、本当にありがとうございます。