何気なく読み始めて、気がつけば全巻ポチッてしまいました。大人になって誰かと共に過ごす喜びってこういうことだよなあと感動しました。2人の距離感の描き方がただただリアルです。何かを約束し合うわけでも束縛するわけでもなく、それで良い。名もない関係が心地いい。
若い時はずっと一緒にいたくて、同じ学校、同じクラス、同じ職場、同棲、離れがたく密な時間を過ごすことに満足していたけれど、大人になってからはそうはいかなくなりました。
還暦ちょい前の尊敬する大先輩が、25年前に離婚した夫と再び結婚しました。選んだのは別居婚。好き勝手に人生過ごしてきたし、もう誰かと生活を共にするなんて無理だからと生活は共にしない。でも誰かと一緒に人生を分かち合いたい。関係を深めないとその人を理解できないけど、理解したからこそ少し距離感がある関係性が心地良い。人と人との関係って不思議ですよね。
人と人のつながりに何か型があるわけでもない、いろんな関係があって良い。そんな心地良い関係をしっとりと読ませてくれる作品です。