ひらりん♪さんがつけた評価
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ヒロインの料理人修行がメインなので、美味しいお料理がたくさん出てきて、みんな食べたくなっちゃう(笑)。洋食にせよフレンチにせよ、料理人の世界は奥が深いです。「料理を作る」ことを通しての百恵ちゃんの成長と、そんな百恵ちゃんと出会ってからの織田さんの変化が見ていて興味深かったです。他の作品でもそうですが、槙村先生はキャラクターのちょっとした仕草から、その人の心境や性格を表現するのがホントに上手いですよね。百恵ちゃんと話した後に帰って行く緑川さんが、日傘をくるりと回すところとか。お米を研いでいる千代ばあが、一粒落ちたお米を摘んで拾って羽釜にポイと入れるところとか。あと、仕草ではないけど、井上夫人から高橋シェフへの絵葉書が、小さい文字でびっしり書き込まれているのを見た百恵ちゃんが「好きな人への手紙って、伝えたいことがたくさんあるから小さい文字になっちゃうんだよね」と思うところとか。槙村先生の作品の、こういうところがたまらなく好きなんです。もう30年近く昔の作品だけど、今読んでも全然古さを感じさせないのもすごい。間違いなく、槙村先生の代表作の一つです。(閉じる)
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